明日は1カ月お休みしていたボランティア再開。
老健施設に紙芝居を読みに行くはずでしたが、でも先方の都合により延期になりました。
週末に、そこで読む紙芝居を図書館に借りに行ったのですが、とてもいい作品がありました。
内容が少し暗いので、施設で読むのには向いていないのですが、誰かに聞いて欲しくて借りてきました。
我が家には、紙芝居に手をたたいて喜んでくれるような可愛らしいちびっ子はいないので、私の自己満足の犠牲者になるのは我がダンナ。
泣く子と何とかに勝てないみたいな顔をして聞いていたのですが、最後のほうになると結構絵を見ていました。
でもって、ふふふふ、皆様にも今日は私の犠牲者になってもらいま~す。
12月15日「へっこきよめさま」に続き第2だ~ん!
じゃあ、いきますよ~!はじまり、はじまり~い。
原作 新美南吉 脚本 堀尾青史 画 輪島清隆
「かたきうちの話」
鎌のような月が冷たく光り、黒い闇が一人の侍を包んでいた。
そうなんですよ、このお話、時代劇なんですよ。
かいつまんで書いちゃいますと、小山半十郎さんという人は笛がお上手。
でも、あとから召抱えられた松木主人さんの方がもっと上手でお殿様のお気に入りになちゃうんですね。
で、プライドが傷ついた小山さんは松木さんを待ち伏せて殺そうとするんです。それが最初のシーン。
でも、反対に殺されちゃうんです。
で、ここで殺された小山さんの弟、主人公である三郎太君の登場!
この人がそうで~す。ちょっとうらぶれてます。なんせもう十年も旅を続けてますからね~。
ちゃんとしたら、結構いい男だと思うんだけど・・・。
さ、次に準主役の登場!
その名はシラミ君。そうあのかまれると痒くなるシラミ。
このシラミ君
「お前も結構悪じゃの~!」
チョイ悪です。
旅の途中で泊った宿で首筋が痒いので見ると、シラミが。
そこで、つぶせばいいものを、三郎太さん
「シラミでも、俺の血を分けた兄弟というわけだ。よしよし。」
で、それからどうするかと思いきや、なんとまあ、柱に穴を開けてそこにチョイ悪シラミ君を入れて蓋をするんです。
な~に考えてんだか、わけわからん。
それから、又旅を続けて1年後。
偶然にも又、同じ宿の同じ部屋にチエックイン。
ふ~っと、チョイ悪シラミ君の事思い出しました。
蓋を開けると彼は生きていたんですね~、怖いですね~どうなるんですかね~。
又、三郎太さんがおバカ。
「ほほう、生きておったか。
俺は一年間お前を苦しめたのだから、しばらく我慢して血を吸わせてやろう。
満足するまで吸うがよい。」
まあ、人がいいたらありゃしない。
チョイ悪シラミ君、思いっきり吸いました。
お陰で、三郎太さんは7日7晩うなされました。
してやったり、一年間閉じ込められたかたきを見事にとりました。
三郎太さんを治療したお医者の先生
「私は人の命を救うのが仕事。
だから言うのだが、かたきうちのような殺生は好きじゃない。
できればやめてもらいたい。治療代はただにするから貴方も相手を助けてやったらどうかね。」
が、しか~し、彼は
「シラミですら、かたきを打つために一年間命をかけて待っていた。
一匹の虫けらに万物の霊長たる人間が負けておれるか。
俺は必ずかたきをしとめるぞ。」
僕のライバルはチョイ悪シラミ君だも~ん!
そうこうしていると、さ~出会えました、三郎太さん、かたきに。
松木安太郎さんじゃなかった松木主人さんに。
でもね、松木さん、目が見えなくなってたんです。
「お恥ずかしい事ですが、私は十年前、人様を殺めたことがあるのです。
いつかそのむくいを受けたいと待っているうちに目が見えなくなりました。」
切ろうか!
でもそこで三郎太さん、チョイ悪シラミ君の事思い出しちゃいました。
「この目の見えぬものを討つのは大根を切るのと同じだ。
そんな事をしたら、俺にかたきをうったシラミと同じ、いやシラミより劣る。
俺は人間なのだ。シラミなんかじゃない。
・・・・・
俺は考える力もない虫けらじゃない。人間だ。
人間が人間を殺せるか!」
ひとりの僧が托鉢をしていた。
それが武士を捨てた小山三郎太の後の姿である。
おしまい。
いかがでしたか?
楽しんでいただけましたか?
さすが、「ごんぎつね」の新美南吉さんの作品ですね。
16場面ですが、一匹のシラミによって変化していく心理描写。
私がおちゃらけて書いてしまったので、その半分も良さをお伝えできなくてごめんなさい。
でも、紙芝居でも結構面白いでしょ?
今日の私の小さな幸せ
アカデミー賞もっと先だと思っていたら発表されましたね。
先日アップした「ウォーク・ザ・ライン」でリーズウィザースプーンが主演女優賞をゲット。
なんか嬉しいですね。親戚でもないのに。