田中雄二の「映画の王様」

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『レイト・フォー・デイナー』

2024-12-17 09:44:26 | 映画いろいろ

『レイト・フォー・デイナー』(91)(1993.5.3.ビデオ)

 1962年。悪徳不動産にだまされ、あげくに誘拐犯に仕立て上げられたウィリー(ブライアン・ウィマー)と義弟のフランク(ピーター・バーグ)。彼らは、故郷を捨てての逃亡の途中で偶然出会った医学博士(ボー・ブランディン)によって冷凍睡眠にかけられてしまう。2人が冷凍から覚めたのは29年後だった。監督W・D・リクター。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズをルーズにしたような、いかにもB級といった感じの時間差を描いた映画。最初のうちは、出てくる俳優たちの素人っぽい演技に困惑していたのだが、途中からそのルーズさや素人っぽさが妙な味わいを出し始めた。これだから映画の良し悪しは最後まで見ないと分からない。

 例えば、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)を見た時の、見始めの戸惑いが妙な懐かしさに変化した感慨と似ているような気がした。おまけにリンダ・ロンシュタットの「(I Love You)For Sentimental Reasons」がバックに流れるラストシーンは、もろにフランク・キャプラタッチの心地よさがあり、最初の戸惑いを忘れてほのぼのとさせられてしまった。

 公開中のメル・ギブソン主演の『フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白』(92)も冷凍睡眠もの。タイムマシンものの後はフローズンがはやりのようで。こうも手を変え品を変えで時を超えた愛を描くということは、現実が殺伐としているせいなのか。いずれにせよ、映画だから表現できる夢の魔法にほかならない。

 この映画でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』同様、時間差ネタとしてレーガン元大統領がコケにされていた。自分たちが選んだ大統領をここまでコケにするのをすごいと言うべきか。


(I Love You)For Sentimental Reasons
https://www.youtube.com/watch?v=kbE8Ns35GaI


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