水島新司原作の映画『野球狂の詩』(77)を見ようと思ったが、かなわず。代わりに同じく女性投手が主人公のこの映画になった。
韓国のある高校の野球部で唯一の女子選手として活躍し、天才野球少女とたたえられたチュ・スイン(イ・ジュヨン)の夢は、プロ選手になること。だが、女性というだけでプロ球団への入団テストを受けるのも困難で、部の監督にも女性はプロになれないと諭されていた。そんな中、スインはプロになれなかった新任コーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)と出会う。
球速で劣るスインはコーチからナックルボールを教わり、活路を見いだす。これは水原勇気のドリームボールに相当するものだろう。ただ、左のアンダースローという変則の水原に対し、スインは右の本格派。ジュヨンがなかなか頑張っていたが、投球など、肝心なところはカメラアングルを工夫して見せていた。これも水原役の木之内みどりと同様。
さて、こういう映画を見ると、『野球狂の詩』はジェンダーに挑んでいたという見方もできる。原作では里中満智子と共作したエピソードもあった。大谷翔平のような二刀流の選手も描いた。先見の明があったのだ。
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