NHK BSの、世界ふれあい街歩きスペシャル「北米大陸・西海岸を行く」で、スケートボードが盛んなロサンゼルスのベニスビーチが紹介されていた。ここには一度訪れたことがあるので懐かしかったが、1970年代にこの地で結成されたスケボーグループ「Z Boys」たちを描いた映画のことも思い出した
『ロード・オブ・ドッグタウン』(05)
舞台は1970年代のウエストコースト。スケートボード・ブームを現出させた実在の3人(ステイシー・ペラルタ、ジェイ・アダムズ、トニー・アルバ)をモデルにした青春群像劇だが、音楽やファッションといったうわべの雰囲気だけで70年代を描いているから懐かしさが浮かんでくるわけでもない。
というか、そもそもオレたちのような世代に向けたノスタルジー物なのか、今の若者たち向けにスケボーや、それを取り巻くさまざまをカッコ良く見せようとしたのか、狙いが中途半端なので焦点がぼやける。
これは、描き方によってはもっと面白くなるべき題材を、キャサリン・ハードウィック監督が消化しきれなかった結果ではないか。主役の3人(ジョン・ロビンソン、エミール・ハーシュ、ビクター・ラサック)よりも、彼らを世に送り出す役割を果たした店のオーナー(ヒース・レジャー好演)の屈折が目立ってしまうのもちょっと違う気がする。
こうなると、同じくウエストコーストのサーフィンを描いたジョン・ミリアスの『ビッグ ウェンズデー』(77)が名作に思えてしまう錯覚が生じて困った。また、この映画を見ながらイーグルスの「ラスト・リゾート」を思い出した。
ビッグイシュー日本版39号(2005.11.)で、主役3人にインタビューをした。
【今の一言】3人の中での一番出世はエミール・ハーシュだ。
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