田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

ウエスタン・ユニオン・特急便 第26号 「今も世界の映画を結ぶフォード&デューク」

2014-10-13 15:39:25 | 映画いろいろ

 3カ月に1回、都内某所で行われている熱烈な西部劇ファンの同好会「ウエスタン・ユニオン」の例会に出席。今回は会報誌「ウエスタン・ユニオン・特急便」に寄稿させていただいた。
http://members.jcom.home.ne.jp/mich/union/

■フォードのことを楽しそうに語る映画人たち

  

 西部劇には無縁とも思える各国の映画人が、ジョン・フォードの西部劇や彼から受けた影響について、楽しそうに語る場面に何度か遭遇した。
今回はその中から幾つかのエピソードをご紹介したい。

 まずは、古代と現代の中国を行き来する冒険映画『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』(08)から。監督のロブ・コーエンがDVDの音声解説で「古代の万里の長城は土で造られていたけど、映画では石やレンガで造られた現在の長城に近いものを登場させた。観客はこちらの方になじみがあるのだからそれでいいと思ったんだ。ジョン・フォードも『事実よりも伝説を取る』って言っていたよね」と語っていた。おっと、これは『リバティ・バランスを射った男』(62)の名セリフじゃないか!

 次に、フランス人のベルトラン・タベルニエ監督(淀川長治先生から「ベルトを“食べる煮え”と覚えるのよ」と教えられた)は、ジャズミュージシャンのデクスター・ゴードン主演で『ラウンド・ミッドナイト』(86)を撮った際に、こんなコメントを残している。

 「私は『怒りの葡萄』(40)でニューディール政策を学び、『荒野の決闘』(46)で西部の話を知りました。ハリウッド映画から真面目に学べるものは何も無いなんて説は馬鹿げていますよ。私はそれらの奥が見たい、そのテーマの真実をもっと知りたいと思いました。そうした映画のおかげで、私は何かを探究することの必要性と純粋性を得たのです」。

 また、私がベルギーのダルデンヌ兄弟監督に『ある子供』(05)の公開時にインタビューをした時、「普遍性」ということが話題に上った。すると兄のジャン・ピエールが「ジョン・フォードの映画は普遍的です。もちろんヨーロッパにカウボーイやガンマンはいないけれど、ヨーロッパの人にもその雰囲気や気持ちは分かるのです。要するにそこには人間が描かれているということです」と楽しそうに語ってくれたことを思い出す。

■さまざまな映画に現れるジョン・ウェイン

  

 続いては、ジョン・ウェインにまつわるさまざまな引用についてお話したい。

 高層ビルジャックを描いた『ダイ・ハード』(88)には、犯人グループの西ドイツ人ボス(アラン・リックマン)が、敵対するマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)を「カウボーイ」と呼び、孤立無援の彼を『真昼の決闘』(52)のゲーリー・クーパーになぞらえて「グレース・ケリーと一緒に去っていくことはできないぞ。ジョン・ウェイン」とからかうが、逆にマクレーンから間違いを指摘される場面がある。

 フランスのリュック・ベッソンが製作した『ロックアウト』(12)は、囚人たちの暴動が発生した宇宙刑務所を舞台にした脱獄アクション。
彼らの人質となった大統領の娘を救い出す屈強な元CIAエージェント(ガイ・ピアース)の苗字は、見た目に反してかわいらしくスノー(雪)という。さらに、ラストで大統領の娘から「あなたの軍歴を調べたら名前はマリオンだったわ」と暴露されると、「おやじがジョン・ウェインのファンだったからさ」とちょっと恥ずかしそうに答える。

 『グッド・バッド・ウィアード』(08)を撮った韓国人監督キム・ジウンと、御年67歳のシュワルツェネッガーが組んだ『ラストスタンド』(13)は、『リオ・ブラボー』(59)をほうふつとさせる集団劇。メキシコ国境付近の町を守る保安官と住民が手を組んで、超凶悪犯の逃亡を阻止するために奮闘する姿を描く。町の雰囲気や保安官の存在、畑と砂漠の風景などに、現代版の西部劇を思わせる楽しさがあった。

 最後に、今年のアカデミー賞授賞式での出来事を。式全体のテーマの“ヒーロー”を紹介するダイジェスト映像に、スーパーマンやスパイダーマンと伍して何とデュークが登場! いまや彼は、人間離れした存在と見なされているのかと思うと笑いがこみ上げてきたが、これはアメリカでのデュークの根強い人気と、ヒーローとしての存在感の大きさの証明でもある。

 淀川先生も黒澤明監督も「映画は世界語」とおっしゃっていたが、フォードとデュークが今も世界の映画を結んでいる、と思うと何だかうれしくなってくる。

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『そんな彼なら捨てちゃえば?』

2014-10-09 09:26:09 | 映画いろいろ

ソフィスティケートは今何処



 ジェニファー・アニストンとベン・アフレック、ジェニファー・コネリーとブラッドリー・クーパー、ジニファー・グッドウィンとジャスティン・ロング、スカーレット・ヨハンソンとケビン・コノリーのカップルが入り乱れて、恋の大騒ぎを繰り広げる。プロデューサー兼任のドリュー・バリモアも賑やかし的に登場する。

 ラブコメの王道である、ドタバタの果てに、最後は収まるところに収まって…という予定調和はこの映画にも見られる。けれども、かつてこの手の映画が、粋や洗練を重視したことで、ソフィスティケート・コメディと呼ばれていたのに比べると、最近は、ただ受ければいいとばかりに、下品なギャグや設定を全面に押し出す傾向が強いのが残念だ。

 ところで、この映画の原題は「彼はあなたに興味がない」だから、随分反意的な邦題を付けたことになる。これは日本の方が女性上位だということの証なのか…。

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『すべての美しい馬』

2014-10-09 09:17:26 | 映画いろいろ

現代版の西部劇かと期待したが…



 1949年、カウボーイになるという夢を捨て切れず、テキサスを後にしたジョン(マット・デイモン)とレイシー(ヘンリー“ET”トーマス)が主人公。

 前半は、見事な景観を背景にした二人の旅の様子と、メキシコの牧場でのカウボーイとしての生活、ジョンと牧場主の娘アレハンドラ(ペネロペ・クルス)の恋が描かれ、現代版の西部劇かと期待させる。

 ところが、中盤になると、ジョンとレイシーは馬泥棒の疑いで投獄され、警察や刑務所での凄惨な描写へと変転する。なんだか妙な具合になってきた。2人はアレハンドラの口利きでようやく出獄するが、再会したジョンとアレハンドラは結婚できない。と、今度は悲恋ものに変わる。そして最後は、奪われた馬を取り戻して故郷へ帰るジョンというところに落ち着く。

 よくいえば主人公の流転の末の成長物語だが、実際は支離滅裂な映画で、タイトルになっている“馬への思い”もあまり伝わってはこない。前半の描写や風景が良かっただけに残念な気がする。

 また、適当な警察、私刑の横行、刑務所は無法地帯というメキシコの描写を見ると、いくらなんでもこれではメキシコ人が怒るのではないかと思わされる。トルコの実情を描いていないと抗議された『ミッドナイト・エクスプレス』(78)のことを思い出した。

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 『KANO 1931年海の向こうの甲子園』 『バンクーバーの朝日』…野球映画の公開が続く

2014-10-06 19:16:55 | 新作映画を見てみた



『KANO 1931年海の向こうの甲子園』

 1931年、日本統治時代の台湾から甲子園大会に出場し、決勝まで勝ち進んだ嘉義農林学校(通称カノ)の日本人、台湾人(漢人)、台湾原住民による混成野球部員と監督の近藤兵太郎(永瀬正敏)との知られざる物語を描く。

 その1年前に起きた抗日運動「霧社事件」を描いた『セデック・バレ』(11)のウエイ・ダーションが、今回は日台の交流を描いた本作をプロデュースした。

 監督は『セデック・バレ』にも出演し、本作が監督デビューとなったマー・ジーシアン。3時間余りの大作だが、見ていて飽きることはない。

 カノの部員たちの健気さに心を打たれるし、近藤の「球は霊(たま)なり。霊正しからば球また正し」という言葉も心に残る。

 ところで、本作には後に日本の野球界でも活躍した“2人の呉”が登場する。

 エースで4番打者の呉明捷は早大に入学し、長嶋茂雄以前の六大学野球の通算本塁打(7本)の記録保持者となった。

 本作ではまだ少年として登場する呉波は、後に呉昌征を名乗り、巨人、阪神、毎日で活躍。打者としては首位打者2回と盗塁王1回を獲得し、投手としてはノーヒットノーランを達成。“人間機関車”と呼ばれ、日本の野球殿堂入りを果たしている。 

 映画を見た後、2人の呉も描かれる鈴木明の『日本プロ野球復活の日-昭和20年11月23日のプレーボール』を再読した。

『バンクーバーの朝日』

 戦前のカナダに実在し、バントと盗塁を駆使して旋風を巻き起こした日本人野球チーム「バンクーバー朝日」の選手たちと彼らの家族、隣人たちの姿を描く。

投手・亀梨和也
捕手・上地雄輔
二塁手・勝地涼
三塁手・池松壮亮
遊撃手・妻夫木聡
監督・鶴見辰吾という布陣

 皆、猛練習の跡が伺えるなかなかのプレーを見せる。

 インド人として初めてメジャーリーグ球団(ピッツバーグ・パイレーツ)と契約した2人の投手を描いたハリウッド映画『ミリオンダラー・アーム』も含めて、知られざる野球の歴史や逸話が映画の題材として掘り起こされるのはうれしい。

 どの映画も野球のプレーシーンがリアルなのがいい。やっぱり野球は素晴らしいと感じることができる。

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『ファーナス/訣別の朝』

2014-10-06 09:12:32 | 新作映画を見てみた

閉塞感を打ち破れ! ニューシネマを思い出す重厚なドラマ



 『クレイジー・ハート』(09)のスコット・クーパー監督の新作で、原題は「アウト・オブ・ファーナス=溶鉱炉の外へ」。主人公のラッセル(クリスチャン・ベール)は、ペンシルバニア州ブラドックの製鉄所で働く真面目な労働者だが、ここにも不況の波が押し寄せていた。

 一方、弟のロドニー(ケーシー・アフレック)はイラク戦争から帰還したが、心に深い傷を負っていた。そして、犯罪組織のハーランにロドニーを殺されたラッセルは、復讐を誓い、決死の覚悟でハーランに闘いを挑んでいく。

 アメリカンドリームとは無縁の名もなき男たちの孤独な闘いを描いたこの暗く重苦しく現実的な映画を見ていると、1970年代のニューシネマを思い出す。

 特に本作とイメージが重なるのが、同じくペンシルバニア州クレアトンを舞台に、製鉄所に勤める若者たちの青春群像を描いた『ディア・ハンター』(78)だ。

 あの映画の背景にはベトナム戦争前後の閉塞感が漂っていた。描かれた時代こそ違え、本作との共通点は多い。(何と本作には“鹿狩り”のシーンまであるのだ。 

 ただ、友情の物語だった『ディア・ハンター』と本作が大きく異なるのは、ウディ・ハレルソンが怪演を見せる悪役ハーランの存在だ。ラッセルとハーランのコインの裏表のような関係を描くことでこの映画は深みを持った。他にも、フォレスト・ウィテカー、ウィレム・デフォー、サム・シェパード、トム・バウアーなど、渋い俳優たちが脇を固めている。

 クーパー監督は「労働者階級のアメリカ人こそ真のヒーローだ。生活のために一生懸命働き、自分たちの仕事に誇りを持っている人たちがいる。この映画は、溶鉱炉で働く一人の男を通じて、正義、報復、勇気について語った物語だ」と語っている。

 そんな本作のテーマ曲はパール・ジャムの「リリース」。ラッセルの心の叫びとも思える「俺を解放してくれ=リリース・ミー」のリフレインが印象に残る。
http://www.youtube.com/watch?v=KAq0AOT5T58

 By the Way.ペンシルバニア、製鉄所といえばもう一つ思い出した曲がある。ビリー・ジョエルの「アレンタウン」だ。『ナイロン・カーテン』(82)に収録されたこの曲は、ペンシルバニア州ベツレヘム製鉄所の労働者たちを歌ったものだった。
http://www.youtube.com/watch?v=BHnJp0oyOxs

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『ミリオンダラー・アーム』 

2014-10-05 10:59:47 | 新作映画を見てみた



「野球はビジネスが全てじゃない。だから楽しむんだ」byJB・バーンスタイン(ジョン・ハム ) 

 インド人として初めてメジャーリーグ球団(ピッツバーグ・パイレーツ)と契約した2人の投手リック・シンとディネシュ・パテルと、彼らを発掘したエージェントのJB・バーンスタイン(ジョン・ハム )についての実話を基に映画化したもので、原題は「百万ドルの腕」。

 シンを『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(12)のスラージ・シャルマ、パテルを『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のマドゥル・ミッタルが演じている点にも注目だ。

 前半は、大規模なロケを行ったインドのムンバイ、タージマハルなどを舞台に、選手発掘の経緯をコミカルに見せ、後半は、ロサンゼルスでの新生活と入団テストまでを半ばシリアスに描いていく。この二段構えの構成が“事実は小説よりも奇なり”の面白さを引き出した。

 そして、野球を媒介に、中年男JBの人生やり直しとチャンスをつかもうとする2人の若者の姿を並行して描きながら、利益至上主義だったJBが最後は「野球はビジネスが全てじゃない。だから楽しむんだ」と2人にアドバイスするまでに変化する姿を見せる。

 と、この手の映画の定石を踏まえながら、見る者に好印象を抱かせるクレイグ・ギレスビー監督の演出はなかなかのもの。コーチ役のビル・パクストン、スカウト役のアラン・アーキンが“おいしい役”で好助演を見せる。

By the Way
併せて見るとさらに本作が面白くなる映画に、スポーツエージェントの実態と選手との友情を描いたトム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』(96)、史上最年長の35歳のルーキー投手の実話を映画化したデニス・クエイド主演の『オールド・ルーキー』(02)、老スカウトの意地を描いたクリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』(12)などがある。

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【ほぼ週刊映画コラム】『蜩ノ記』

2014-10-04 20:10:16 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

岡田准一起用で時代劇継承の可能性を示した
『蜩ノ記』


名台詞は↓

「心を変えることができるのは、心をもってだけだ」
by戸田秋谷(役所広司)

詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/970929

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「史上最低の映画」『グレンとグレンダ』『怪物の花嫁』『プラン9・フロム・アウター・スペース』 

2014-10-04 19:55:28 | 名画と野球のコラボ

名画投球術 No6.「史上最低の映画が観たい」エド・ウッド



 「どんなひどい映画でも必ず何か一つは見どころがあります。それはストーリーとは直接関係ないシーンかもしれない、または脇役、小道具、なんでもいいんです。とにかく自分で見付けることが大切なんです」とは、私たちが“迷作”と出会ってしまった際の淀川長治先生からのアドバイスだ。

 ところが、そんな苦しい見どころすら持たせない映画を作り続け、“史上最低の映画監督”と呼ばれた男がいた。エド・ウッドことエドワード・D・ウッドJr.である。

 ほとんど忘れられた存在だった彼に光を当てたのは、ティム・バートン監督が撮った伝記映画『エド・ウッド』(1994)。(作品の出来はともかく)映画作りに狂気的な情熱を注ぐエドと仲間たちの姿を、時におかしく、時に悲しく、愛すべき存在として描いてみせた。

 おかげで今日、私たちはエドの迷作群をDVDなどで目にすることができる。ただし寛容な心と忍耐力が必要だが…。

エラー 『グレンとグレンダ(1953・米)』


  
 精神科医が語る女装マニア、グレンの日常とは…。自身女装癖があったエド・ウッドの監督デビュー作。ダニエル・デイビス名義で自らグレンを演じているほか、当時の恋人ドロレス・フラーを恋人役に起用するなど、公私混同、“私映画”的な要素が強い。

 往年のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシの出演を条件にプロデューサーを口説き落としたエドの執念は買える。ただしルゴシが演じる「人間の運命をつかさどる聖霊?」の姿が、ストーリーとは無関係に何度も挿入され、しかもカメラの位置が一定でないため、語り部たる精神科医がいったいだれに語っているのかよく分からない。

 おまけにエドとドロレスの稚拙な演技! 見ているうちに頭が混乱してくる。本人は「女装は悪くない」と言いたかったらしいのだが…。

 凡打に打ち取ったのに次々と野手にエラーされる投手の心境が味わえるかも。

パスボール 『怪物の花嫁(1955・米)』 


 放射能によって人間を強化する実験を密かに行うマッド・サイエンティスト。その研究所に紛れ込んだ女性記者の運命は…。1950年代に乱造されたチープなSFホラー映画の1本。

 エドの目の付け所は悪くない。ただしまたも私たち観客は肩透かしを食らう。マッド・サイエンティストを演じるベラ・ルゴシの大げさな演技とほかの素人同然の出演者たちがまったくかみ合わないし、意味不明なシーンやセリフが飛び交う。なぜ? どうして? の連続。

 おまけに見せ場とすべきワニや大ダコが登場するホラー・シーンはほかの映画から拝借。アメリカではB級、C級を遥かに飛び越えて“Z級映画”の評価? を得ている。

ワイルドピッチ 『プラン9・フロム・アウター・スペース(1959・米)』 



 地球に無意味な戦争をやめるように忠告しに来た宇宙人。だが聞く耳を持たない人間たちに激怒した彼らは、ゾンビを使って地球を征服する最終計画「プラン9」を実行に移す。

 映画にも文法というものがあるとすれば、エドはそれをまったく無視している。否、本人はそれに気付かずに撮り続けたのだろうか。この作品もアラを挙げればきりがないのだが、本来コメディー映画として作られたものではないだけに笑うに笑えない。

 一言で表現すれば、「妙な」「変な」世界にずるずると引きずり込まれていく感じがする。

 次々に投げ込まれるエドの暴投を受けてみる勇気ある捕手=観客は存在するのか? 同種の名作とされるロバート・ワイズ監督『地球の静止する日』(1951)と見比べてみるのも一興だ。

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【インタビュー】『シグナル 月曜日のルカ』三根梓

2014-10-02 17:49:12 | インタビュー



映画館から一歩も出られなくなった女性映写技師と、アルバイトにやってきた大学生との恋を描いた
『シグナル 月曜日のルカ』(12)に主演した三根梓に別件でインタビュー取材。

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