入社して3年が過ぎた頃、地域の「社会体験」として、施設を訪れていた中学3年生の女子が、2日間で「リノ」よりも上手く動いてくれているのを目の当たりにして愕然とした。
いつの間にか「リノ」や「ギャル」が若い子の「基準」となっていたので、「彼女たちとは違う価値観で能動的に動ける女子もいるのだ」と、自分の視野が狭くなっていることに気づかされた。
しかし、その事によって、「リノ」のような子にこそ、福祉職はセイフティーネットでなければならないし、他の仕事は難しいのだから、この仕事を続けてくれるようにサポートしなければという想いが浮かんでいたのであるが、鈍感力の高い「リノ」は、僕の気持ちなど気付くはずもなく、今度は、同じ部署の既婚の男性を好きになり、その気持ちを抑えられないと言い出したのだった。
その予期せぬ告白に、驚いてしまったが、無下に拒絶すると絶望してしまうかもしれないと思い、とりあえず、話を聞きながら、どうすれば彼女にとって最善になるのかを探る事にした。
しかし、相手は女性慣れしていて、古株さんも手玉に取っている人だったので、どんなに思い詰めたとしても、ハッピーエンドにならないのは明白であった。
それでも、「自分の気持ちに素直なリノ」にとって、気持ちを秘めておく事は難しいだろうから、あえて気持を後押ししたとしても、相手の立場は、上司なのだから、冷たくはしないであろうし、仮に不倫関係になったとしても、望みが叶い、ハッピーになり、職場に通い続けるモチベーションにもなると考え、
「気持ちだけでも伝えてみればいいんじゃないかな。相手は既婚者なんだし、それをわかったうえで聞くだろうから、後は彼の良心の問題。それに、気持ちを口に出すことは、黙って苦しい思いをいるよりは、前向きになるんじゃないかな。ただ、どう転んでもハッピーエンドにはならないけれどな」
と、助言をすると、頬を赤らめ、はにかみながら、「うん。そうしてみる」とつぶやいた。
いつの間にか「リノ」や「ギャル」が若い子の「基準」となっていたので、「彼女たちとは違う価値観で能動的に動ける女子もいるのだ」と、自分の視野が狭くなっていることに気づかされた。
しかし、その事によって、「リノ」のような子にこそ、福祉職はセイフティーネットでなければならないし、他の仕事は難しいのだから、この仕事を続けてくれるようにサポートしなければという想いが浮かんでいたのであるが、鈍感力の高い「リノ」は、僕の気持ちなど気付くはずもなく、今度は、同じ部署の既婚の男性を好きになり、その気持ちを抑えられないと言い出したのだった。
その予期せぬ告白に、驚いてしまったが、無下に拒絶すると絶望してしまうかもしれないと思い、とりあえず、話を聞きながら、どうすれば彼女にとって最善になるのかを探る事にした。
しかし、相手は女性慣れしていて、古株さんも手玉に取っている人だったので、どんなに思い詰めたとしても、ハッピーエンドにならないのは明白であった。
それでも、「自分の気持ちに素直なリノ」にとって、気持ちを秘めておく事は難しいだろうから、あえて気持を後押ししたとしても、相手の立場は、上司なのだから、冷たくはしないであろうし、仮に不倫関係になったとしても、望みが叶い、ハッピーになり、職場に通い続けるモチベーションにもなると考え、
「気持ちだけでも伝えてみればいいんじゃないかな。相手は既婚者なんだし、それをわかったうえで聞くだろうから、後は彼の良心の問題。それに、気持ちを口に出すことは、黙って苦しい思いをいるよりは、前向きになるんじゃないかな。ただ、どう転んでもハッピーエンドにはならないけれどな」
と、助言をすると、頬を赤らめ、はにかみながら、「うん。そうしてみる」とつぶやいた。