その考え方に疑問を感じた僕は、「できない事は出来ないのだから、そこをお手伝いするのが介護職員の仕事では」と反論したのであるが、「じゃあ、その人の家に行ってやってあげられるの」と、「私の正しさ」を押し付けようとしていて議論にならなかった。しかし、その考え方を利用者さんにも押し付けている事には違和感しかなかった。
ある日、疾患によって関節の可動域が狭くなってしまったおばあちゃんが靴下をはけずにいるので、手伝ってあげると、それを観ていたスタッフが「どうして、手伝うの? ○○さんも、甘えてないで自分でしなければだめでしょ!」と言って従わせようとした。
「なんだかなぁ」と思いながら、おばあちゃんに「ごめんね」と言うと、「あんたは優しいな。あの女はほんとにきつい」と溢すほどの冷たさであった。
そういう人ほど、オバサンと呼ばれるのを嫌い、アンチエイジングを崇拝する「年を取ることを否定する」人だから、「年を取った時の事を理解しようとする気はない」し、様々な例えを介して説明を試みようとしても、全く受け入れられない。
なぜこんな事になっているのかとしばらく考え込んでしまったが、介護現場の構造はどこでも同じであるから、老舗の施設においても、「自分にとって具合のいい」が最優先事項なのだと気づいた。
そんな中でも、「ナミ」は真剣に話せば分かる唯一の人であり、信仰に篤い人であったので、仏の教えを頼りにいろいろと話してみると、一方的に否定するのではなく、きちんと考えてくれる人であったので、時間がたてば何事もなかったように談笑できて、不思議な人だなと思っていたが、ある日、「ナミ」は、「あなたとはソウルメイトなの。そう告げられたの」とスピリチュアルな事を言うので、そういう事もあるんだろうなと納得した。
そして、さらに、驚いたのは、シングルマザーでありながらも、ゆくゆくは「小さな施設を立ち上げたい」という夢があり、今はそのために準備をしていると宣言した事だった。
ある日、疾患によって関節の可動域が狭くなってしまったおばあちゃんが靴下をはけずにいるので、手伝ってあげると、それを観ていたスタッフが「どうして、手伝うの? ○○さんも、甘えてないで自分でしなければだめでしょ!」と言って従わせようとした。
「なんだかなぁ」と思いながら、おばあちゃんに「ごめんね」と言うと、「あんたは優しいな。あの女はほんとにきつい」と溢すほどの冷たさであった。
そういう人ほど、オバサンと呼ばれるのを嫌い、アンチエイジングを崇拝する「年を取ることを否定する」人だから、「年を取った時の事を理解しようとする気はない」し、様々な例えを介して説明を試みようとしても、全く受け入れられない。
なぜこんな事になっているのかとしばらく考え込んでしまったが、介護現場の構造はどこでも同じであるから、老舗の施設においても、「自分にとって具合のいい」が最優先事項なのだと気づいた。
そんな中でも、「ナミ」は真剣に話せば分かる唯一の人であり、信仰に篤い人であったので、仏の教えを頼りにいろいろと話してみると、一方的に否定するのではなく、きちんと考えてくれる人であったので、時間がたてば何事もなかったように談笑できて、不思議な人だなと思っていたが、ある日、「ナミ」は、「あなたとはソウルメイトなの。そう告げられたの」とスピリチュアルな事を言うので、そういう事もあるんだろうなと納得した。
そして、さらに、驚いたのは、シングルマザーでありながらも、ゆくゆくは「小さな施設を立ち上げたい」という夢があり、今はそのために準備をしていると宣言した事だった。