冬が来る 高村光太郎の詩集Г道程」より
冬が来る
寒い、鋭い、強い、透明な冬が来る
ほら、又ろろろんとひびいた
連発銃の音
泣いても泣いても張がある
つめたい夜明の霜のこころ
不思議な生をつくづくと考へれば
ふと角兵衛が逆立ちをする
私達の愛を愛といつてしまふのは止さう
も少し修道的で、も少し自由だ
冬が来る、冬が来る
魂をとどろかして、あの強い、鋭い、力の権化の冬が来る
冬が来た
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え公孫樹の木も箒になつた
きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た
冬が来たの詩は教科書に取り上げられたり、朗読の勉強に用いられたりして、
人口に膾炙されています。
冬が来るの詩の後に冬が来たの詩があります。冬の厳しさ、力強さが伝わって来ます。
同じ冬と言う季節でも、感性によって全く違った、次のように静かな冬の詩もあります。
しんしんと降り積む雪が、目に見えるようです。
雪 三好達治
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
冬を嫌な季節と思わないで、自分の内面を見つめてみたいと思います。
これから冬を迎える心構えに
成りそうです。
なかなかお会いできる時間が作れない状態で申し訳ないですm(_ _)m
かなり冷え込むようになってきたので、動き出しは気をつけてくださ~い