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10月はハロウィンにちなんで
仕事に関係する「不思議な世界」をとりあげてます。
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タイトルの昇官発財とは
「人生の山に登れない山はない」という意味で理解して欲しい。
横浜の中華街にいくと、よく“昇官発財”と書かれた張り紙が
お店に貼ってあります。おめでたい言葉でもあります。
逞しい中国人の商売哲学から学んでみるのもいいよね。
では行きましょう。
■一番を目指す思想
※※※
中華民族にとって、目ざすは一番。一番以外なら、二番も三番もそう大して価値はないと考える傾向にある。
高い山の頂きに登れば、低い山の頂上からでは見えない景色が眼下に広がる。その光景から、新たなビジネスを見出す可能性だって小さいわけではない。
昇官発財という。登り方を工夫することが肝要だということだ。
※※※
孔健「中国流不敗の交渉術」成美文庫2004年から
中国の大学生を斡旋して日本企業に就職させるビジネスが
日本の大手就職情報会社の新しいビジネス戦略にもなってます。
“一番以外なら、二番も三番もそう大して価値はないと考える”
中華民族の挑戦を受けて立つ日本の大学生にとって
さあ、どうするか?
というのが課題になっています。
■競争することの意味
大学時代、同じ学部に中国や韓国からの留学生がたくさんいました。
彼らと話をしていたとき、ずいぶん意識が違うなぁと感じたものです。
(※1980年代後半の青山学院大学の話です)
“留学で身に付けたことは、必ず生かすのだ”
という意識が高いので本当にびっくりしました。
1980年代後半の日本というのはバブルの最盛期なので
“お金が溢れてしようがない”という時代でした。
たとえば青学の厚木キャンパスの学生用駐車場には
通学用のベンツやアウディといった高級外車がたくさんあって
(しかも女子学生の自家用車が多かった)
同級生にはタレントやモデルも多く、普通のアルバイトでも
時給は最低が1000円以上だったりして
よくもわるくも“恵まれた環境”だったので
これ以上世の中の景気が良くなっても
どうするのだ?
という感覚がありました。
“一番以外なら、二番も三番もそう大して価値はないと考える”
という留学生たちの強烈な志向性が、いったいどこからくるのか
その当時はまったく理解できていませんでした。
■物極必反(満足は衰退の始まりである)の教訓
中国には物極必反(満足は衰退の始まりである)という言葉があるそうです。
いつでも前に進む、一番を目指すということは
“物極必反”を恐れるということの裏返しなのかもしれません。
適当に満足してしまうと、ただちに衰退に向かうのですね。
日本がバブルの崩壊であたふたした1990年代を振り返ると
中国は何千年も古い単位で“崩壊の繰り返し”を経験してきたので
“昇官発財”の精神が大切なのだという智恵があるようにも感じられます。
「劣った他人をどんどん蹴落とそう」というマイナスの意味ではなく
「より良いものを生み出そうと追究する姿勢」という意味においては
つねに一番を目指すほうが良いとする“昇官発財”の考え方は
きわめてスタンダードな考え方なのかもしれないと思われます。
■目標は高くかかげて
チャレンジ目標というのはできるだけ高くかかげてみよう。
最初から限定はしないことだよ。
今、日本の大学生を見ていて感じることは
・大きな目標を掲げようとしない。
・失敗をしたくない。ミスを恐れる。
という傾向性なんです。
“錯中増智”(よく間違えるほど賢くなる:毛沢東の言葉)
失敗から学ぶことも次のステップにつながると思うんだ。
★★中華式モチベーション★★
学費や生活費を稼ぐ忙しいアルバイトが終わって
ご飯でちょっと餃子やラーメンを食べるときには
おいしさを味わいつつ、ちょっと思い出してみよう。
“昇官発財”
“錯中増智”
オレは負けるものか!
夢も希望も捨てないぞ。
そういうチャレンジ精神がいいと思うよ!
ではまたね。
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ただしオンリーワンを目指すからナンバーワンを目指さなくて良い、というと、それもちょっと難しいかな。
つまり車を運転するアクセルとブレーキのバランスで、ナンバーワン志向もオンリーワン志向も両方が必要なんだろうと思っています。
“バランスを考えれば”日本にはナンバーワン志向はもう少しあったほうがいいかもね。