こんにちは。
湊かなえサンのベストセラー小説「告白」が
6月5日に映画化公開されます。
小説のフレーズからインスパイアで今週もいきます。
(小説のネタばれ、はいたしません)
◆小説の印象的なフレーズから
あなたの愛する世界に、
あなたと愛するママしか存在しないのなら、ママを殺しなさい。
それができない臆病者が、
いつまでもえらそうなことを言いながら好き勝手にすることは、
これ以上許しません。
↑
湊かなえ「告白」より
目に留まったフレーズです。
※
小説のネタバレ内容にならないよう、誰のセリフかは伏せます。
このフレーズの白眉は
『あなたのママを殺しなさい、それができない臆病者・・』
という表現です。
この表現には禅宗の教えが反映されている、と私は読み取っています。
湊かなえさん、いかがでしょうか?
◆無門関の第一則『仏に会っては仏を殺し・・』
禅で有名な無門和尚の教え(無門関)に
『仏に会っては仏を殺し、師に会っては師を殺せ』
という言葉があります。
禅の修業における気概をあらわす言葉です。
判断すべき時には判断をし、決断すべきときには決断せよ。
その気概は、たとえ己の尊敬する師や仏に出会っても
殺さなければならないほどの決意なのである。
自分が絶対に大切だと思う親や子、尊敬する師や神・仏 に対して
その『絶対だと思う固定観念』を崩す勇気こそ
気概であり、判断・決断の要となるものだ。
◆小説家のインスピレーション
1月8日ブログで紹介したカナダ女性作家セーラ・シアード
(Sarah Sheard 1953~)の小説にも、禅僧の言葉として紹介されています。
仏陀を殺しなさい!禅僧のショホクは、座禅の最中にそう叫んだ。
仏陀があなたの修行の妨げになるなら、生身の人間ではなく、観念になったのなら。
↑
TBSブリタニカ「私とアキラと日本と」伊藤和子訳 1995年(絶版)
「告白」で使われている印象的なフレーズ
「ママを殺しなさい。それができない臆病者」は
あなたとママの2人しかいないという
内面世界の人間関係から
勇気をもって自分から2人の関係を断ち切りなさい。
(「ママを殺しなさい」という表現で)
それができないのは臆病者だ
ということでしょう。
ママ(母)と子という関係性は、禅僧であれば仏であり師でもあります。
仏や師をも殺すほどの決意の厳しさこそ禅の真髄なのかもしれません。
◆決断をする人間関係の厳しさこそ
仕事や生活では、人間関係からくる悩みも多いものでしょう。
他人と自分との距離のとり方から来ていることもあります。
例)
他人から嫌われるのがいやなので、頼まれごとを断れない。
彼(彼女)から嫌われるのが嫌なので・・
会社の人から仲間はずれにされるのが嫌なので・・
ケースバイケースではあるのですが
「自分とママだけ」という濃密な人間関係に、
今の自分がいるのであれば思い切って「ママを殺しなさい」
それは禅の教え「仏を殺せ」
勇気を持って、決然として
『(自分の心の)観念の中で』「ママを殺しなさい」
湊かなえ「告白」が、三島由紀夫「仮面の告白」に並ぶ
深い小説となって読み継がれるのかどうかは不明ですが
現代社会の人間関係を考えるヒントになるようですね。
もうすぐ6月。それでは今週もよろしく!
湊かなえサンのベストセラー小説「告白」が
6月5日に映画化公開されます。
小説のフレーズからインスパイアで今週もいきます。
(小説のネタばれ、はいたしません)
◆小説の印象的なフレーズから
あなたの愛する世界に、
あなたと愛するママしか存在しないのなら、ママを殺しなさい。
それができない臆病者が、
いつまでもえらそうなことを言いながら好き勝手にすることは、
これ以上許しません。
↑
湊かなえ「告白」より
目に留まったフレーズです。
※
小説のネタバレ内容にならないよう、誰のセリフかは伏せます。
このフレーズの白眉は
『あなたのママを殺しなさい、それができない臆病者・・』
という表現です。
この表現には禅宗の教えが反映されている、と私は読み取っています。
湊かなえさん、いかがでしょうか?
◆無門関の第一則『仏に会っては仏を殺し・・』
禅で有名な無門和尚の教え(無門関)に
『仏に会っては仏を殺し、師に会っては師を殺せ』
という言葉があります。
禅の修業における気概をあらわす言葉です。
判断すべき時には判断をし、決断すべきときには決断せよ。
その気概は、たとえ己の尊敬する師や仏に出会っても
殺さなければならないほどの決意なのである。
自分が絶対に大切だと思う親や子、尊敬する師や神・仏 に対して
その『絶対だと思う固定観念』を崩す勇気こそ
気概であり、判断・決断の要となるものだ。
◆小説家のインスピレーション
1月8日ブログで紹介したカナダ女性作家セーラ・シアード
(Sarah Sheard 1953~)の小説にも、禅僧の言葉として紹介されています。
仏陀を殺しなさい!禅僧のショホクは、座禅の最中にそう叫んだ。
仏陀があなたの修行の妨げになるなら、生身の人間ではなく、観念になったのなら。
↑
TBSブリタニカ「私とアキラと日本と」伊藤和子訳 1995年(絶版)
「告白」で使われている印象的なフレーズ
「ママを殺しなさい。それができない臆病者」は
あなたとママの2人しかいないという
内面世界の人間関係から
勇気をもって自分から2人の関係を断ち切りなさい。
(「ママを殺しなさい」という表現で)
それができないのは臆病者だ
ということでしょう。
ママ(母)と子という関係性は、禅僧であれば仏であり師でもあります。
仏や師をも殺すほどの決意の厳しさこそ禅の真髄なのかもしれません。
◆決断をする人間関係の厳しさこそ
仕事や生活では、人間関係からくる悩みも多いものでしょう。
他人と自分との距離のとり方から来ていることもあります。
例)
他人から嫌われるのがいやなので、頼まれごとを断れない。
彼(彼女)から嫌われるのが嫌なので・・
会社の人から仲間はずれにされるのが嫌なので・・
ケースバイケースではあるのですが
「自分とママだけ」という濃密な人間関係に、
今の自分がいるのであれば思い切って「ママを殺しなさい」
それは禅の教え「仏を殺せ」
勇気を持って、決然として
『(自分の心の)観念の中で』「ママを殺しなさい」
湊かなえ「告白」が、三島由紀夫「仮面の告白」に並ぶ
深い小説となって読み継がれるのかどうかは不明ですが
現代社会の人間関係を考えるヒントになるようですね。
もうすぐ6月。それでは今週もよろしく!