
街道は街と街を繋ぐ主要な道路のこと。今は都市と都市を結ぶのは高速道をはじめ国道や地方道など舗装整備され車が主に走る道が昔の街道に当たる。今、古地図片手にという誘い言葉で、江戸時代のころの街道の歴史をひも解きながら歩くことが各地で催されている。コンクリートやアスファルト通りから外れ、歴史を醸す家並みは新鮮な発想を誘い出す。
昔の街道に欠かせないのは1里塚。「街道の両側に土を盛り、里程の目標とした塚。多くは榎や松を植えた」(広辞苑)。旅人に1里ごとの道のりを示す役割を果たした。1里は約4キロ、普通に歩いて小1時間かかる距離、塚ごとにひと休みはうなずける。市内にも江戸時代の街道復活の団体がその整備をされている。険しい山道の手入れはきつい作業のようにお見受けしている。
科学は地図も1里塚も不要にし、車に乗りナビ誘導のままに進めば距離など問題なしに知らぬ街にもたどり着く。1里塚はサービスエリアや道の駅が代替し、榎や松の目印はなくともひと休み出来る。たまに幹線道からそれて里山沿いに進むと季節ごとの自然が目に入る。かっての人らは、歩きながらこうした楽しみを味わいながら次の1里塚へ向かったのだろう。
1里塚ではないが高速道にも国道などでは頭上に距離表示があり運転の参考になる。あまり目につかないがもう一つ距離標がある。これはキロポストといい、路線の起点から何キロの地点かを示す。しかし、道路端に表示されていて運転する者からはまず見えない。気にしていたら事故を起こすか誘発しかねない。まあ、今はこれを頼る人はいない。それより車も人生も安全運転が大切。そろそろ人生の達成度を示す1里塚を見つけたい。