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日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

四辻の豆

2010年02月02日 | 回想
               

「誰にも見られず四辻へ歳の数だけ豆を置くと願いがかなう」。子どものころ祖母から教えられた節分のまじない。

子どものころ住んでいた古い家並みの集落には1カ所だけ四辻があった。その翌日の朝、路上で冷たい一夜を過ごした願いを込められた包みが幾つも幾つも並んでいた。それを踏まないように学校へ行った。

戦後の混乱がようや落着きを見せ始めたころ、そのころの人はどんな願いや夢を持っていたのだろうか。食料や平和、子らの幸せなど、当時の必死に働く大人の生活を思い出すと、華やかさは無かったろと思う。

そんな中で、誰がどんな願いを包み込み、人目につかぬよう暗い辻に置きに来たのだろう。そんな思い出の辻は道幅の広い明るい交叉点になり、当時の面影は微塵ほどもない。

わが家の前の小さな辻、毎年、数個の包みがある。それを見るとなぜかほっとするのは古い人間かも知れないと思いながら、どこの誰が何を、と続けて思う。今朝、朝刊と一緒に福豆が1袋届いた。販売店さんの心づくしだが、辻に置くにはもう1袋ほしい。

(写真:新聞販売店心づくしの福豆)
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おまけ (まな母)
2010-02-02 21:17:35
豆のおまけが新聞に付くなんていいなぁ。
「四つ辻に歳の数だけ・・・」始めて知りました。へぇ~、やってみようかな。
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懐かしい光景 (yattaro-)
2010-02-03 08:16:08
もっぱら家の掃き出し窓から外に向かって「鬼は外…」仏間・玄関・トイレなど「福は内…」など豆を放り投げてきましたが、四辻に包みを…初めてです。
やはり先人の知恵、風情がありますね。
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節分巻き寿司 (fufu)
2010-02-03 12:40:12
今年は西南西とか・・・。大きな口でがぶり、この顔見たら 鬼もすぐに退散するでしょう。
節分巻き寿司はいつごろからでしょうか。豆まきして、いわしに柊(ひいらぎ)の枝を刺して入り口にぶら下げておいたことがありますが。
春の足音が聞こえてくるようです。
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Unknown (tenchan)
2010-02-03 14:26:30
四つ辻に年の数だけの豆を置くんですか。
それは知りませんでした。

うちの地方では、
年の数だけ豆を食べると
良い事があると、聞かされてきました。
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Unknown (あーと)
2010-02-03 16:39:15
節分のおまじない初めて聞きました。
今日は神社の節分、豆まきに行ってきました。
すごい人でびっくり!

花水木。ありがとうございました。m(__)m
ゆっくり読ませていただきます。(*^_^*)
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まな母さん (tatu_no_ko)
2010-02-03 20:43:28
福豆、気はこころでいいものです。
是非、人に見られないように四辻へ出向いたください。きっといい年になります。
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yattaro-さん (tatu_no_ko)
2010-02-03 20:46:41
四辻に豆、昔の人の言い伝えとして何か忍ばせてくれる風情を感じます。
わが家の前の小さな辻にでも包みを見ますが、今年はどうでしょうか。
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fufuさん (tatu_no_ko)
2010-02-03 20:55:06
恵方巻きは関西商人の発想と聞きました。なんとなく頷けます。
鰯とヒイラギ、幼いころはそれしかなかったですね。豆を食べるのはやはり楽しみでした。
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tenchanさん (tatu_no_ko)
2010-02-03 20:57:12
歳の数だけ豆を食べる、こちらでも言い伝えられています。子どものころにはそれを守っていました。
四辻へ豆を置いた経験は・・・。
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あーとさん (tatu_no_ko)
2010-02-03 21:01:13
神社へ参られましたか。よかったです。ニュースで見ると神社の豆まきは賑やかですね。
辻に置く豆、エッセイの題材になるかな、など考えていました。
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