月刊誌「文芸春秋」に「一城一食」という企画シリーズがある。それにはその地に残る名城と食と酒をテーマにして掲載される。これまで掲載された城の中で、訪れたのは高知城と松江城の2カ所、それ以外は訪れたことのない。そんなこともあり毎号、写真と記事を楽しみにしている。
七月特別号のそれは第二十二回としてわが街の「岩国城」。城の写真は天守閣全景、名勝・錦帯橋から見上げた山頂の天守閣、香川家長屋門、復元された天守台。食の写真は錦帯橋畔に店舗がある平清の「岩国寿司」、「大平」、レンコンの「三杯酢」。酒は錦川下流沿いにある老舗の蔵元八百新酒造の「雁木」。どれも、歴史やいわれを折り込みながら詳しく5頁にわたっていい内容が紹介されている。
食で紹介の「岩国寿司、大平、三杯酢」、この三種は家の祝い事、盆や正月の来客の接待、地域の祭り、こういった時には各家庭で作り、来る人をもてなしていた。ちなみに我が家の寿司作りは、木枠の寿司桶に、5升の飯を5段重ねにした押し寿司で、一回で150個の寿司が客を迎えた。三杯酢には特産の岩国レンコンが欠かせなかった。もちろん、スーパー等夢にも思わないころの話。
雁木は、錦帯橋の架かる錦川下流の一つである今津川沿いにあった。かつては吉川藩の港湾施設の一つで人の往来、物流で賑わっていた。水害に備えるという大義名分の護岸工事で今はその姿はないが、雁木そばにある蔵元が、酒の銘柄として歴史を伝えている。文春7月号を手にコロナ禍ではありますが、機会がありましたらご来訪ください。
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