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「火の用心 ことばと形を 習慣に」、これは配布されてきた今年の防火標語。時代劇では拍子木を打ち鳴らしながら夜回りするシーンは、更けゆく町を思わせるに欠かせない。現在は年末になると消防団員の夜回りがある。以前は拍子木が鳴ると「ご苦労さまです」の声掛けをしていたが、住まいの地区は最近、消防車で巡回となりそれは出来なくなり夜回りの情緒が消えた。
乾燥しているからか、不始末なのかとにかく火災のニュースが多く、その度に死者が発生している。近くでもここ数年で4件の火災があり、うち2件は目と鼻の先、1件は飛び火を警戒しガレージの屋根に散水した。幸い難は免れたが改めてその恐ろしさを体験した。もう1件は家財搬出を手伝ったが、炎によって窓ガラスが破損する音と破片の飛散には恐怖を覚えた。
恒例の消防出初式の放水が錦帯橋下川原であった。何年かぶりに出かけた。花火を合図に50台余りの消防車から一斉に空へ向けて水柱が昇る。体感的には暖かく、風がないので水しぶきの飛散もなく見学には絶好の日和だった。全消防車のサイレンの音と赤色灯の回転はこうした舞台でだけにしたい。
出初式は市消防職員や消防団員などの関係者で行われいる。消防団といえば江戸時代の町火消、いろは組等が設けられた。それを主導したのはご存知、南町奉行の大岡忠相という。次第にその能力が認められ活動範囲に武家地など重要な役目を担うようになった言う。現在は火災だけでなく自然災害時の対応も重要な任務になっている。火元にだけはならない、夕食時に妻と話す。