長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

恵みの雨

2011-02-09 07:52:02 | Weblog
久しぶりに恵みの雨だ。庭の木たちも、お店の周りのプランターの
花たちも、喜んでいるみたい。
昨日は、また寒さがひさしぶりにもどってきたので、よけいに寒く感じた。
ボクシングもそうだけど、強いパンチばかりだすと、相手が強いパンチ
を受けるのに慣れて、きかなくなる。少し力を抜いて、軽いパンチでジャブを
だした後に、強めのフックを打つ、とか、やはり強弱のバランスが肝心だ。

昨日リフレをやってくれたゆーさんに、「はやめのバレンタイン」をもらった。
体に気をつかってくれて「薄めのチョコ」だと思ってあけたら、11日から
公開される「明日のジョー」の映画のチケットだった。こんなにうれしい
プレゼントはない。この映画でジョーと力石の役をするイケメンの俳優に、
ボクシングの指導をした梅津さんは、ヨネクラジムのトレーナーをしていた
時があり、ぼくもミット打ちや、サンドバッグを打つ方法などを、教えて
もらったことがある。やさしいけど、気骨があってとても気持ちのいいトレーナーだ。

夕方に、赤松林太郎くんが「これから関西にいきます」と挨拶にきた。仕事が
ひと段落した時に、いつもそうするように、久保さんの酒器で、山廃のぬる燗を
所望する。若いのに、ぬる燗を飲む姿がだいぶ大人になってきた。そろそろ江戸一
に連れていこうか、などと思っている。
ちょうど、土鍋で小豆を煮ていたら、その香ばしい香りを繊細なピアニストは
見逃さなかった。臭い逃さない・・・こちらのほうが正確な表現?
「それは・・・」というので、「これは、そばがきぜんざい用の小豆を煮ている」
と答えた。彼の好奇心は「うん」では終わらない。「どこの小豆を使ってはるんですか
?」ときた。「福岡の小豆や」と答え、妹がおくってきたビニールの袋に手書き
した「先日亡くなったおばあちゃんがつくった最後の小豆」というシールを見せた。」
ら、繊細なアーティストの目が潤んだ。ので、一期一会だと思い、そばがきぜんざいを
作って、漆器に盛って出した。歳をとって、酒量が減ってくると、塩大福や餡子を
酒肴にするのを最高だという酒徒がいる。ただし「若いうちにそれをやるとだめだよ」
といわれたことがある。昨日は「今日だけやで」とねんを押して、だした。
若いアーティストは結局4合の酒を空けた。「不老泉」という、妙にぴったりの酒だった。25日の天真庵ライブが楽しみだ。

「英語で蕎麦会」は、新しいメンバーも増え、にぎやかだった。
ピアニストの松岡美絵さんも常連になった。彼女は同郷(福岡)で、
ときどき九州弁で近況を語りあう。酒もいけるし、池袋近辺に住んで
いるので、彼女とも江戸一にいこう。松岡さんが天真庵でサティーを
やってくれてから、周りで(それを聴いた)ピアノを習い始めた人が、4人
いる。すごいことだ。あのゆっくりした調べを、まるで禅僧が座禅するとき
の呼吸みたいに、静かな息づかいでみごとに奏でる技は、神技に近いものを
感じた。これから、ますます活躍の場がひろがっていくだろう。


今日明日は連休。
野菜や卵の買出しにこれから出発。
勝浦においしい割烹があり、今日はそこで一杯やってこようと思う。
大塚の江戸一の近くに、10年ほど前まで、いい店があった。
そこの主人は、毎日魚を仕入れに勝浦までいっていた。
大学時代まで相撲をやっていて、後輩たちがよく飲みにきていた。
彼らといっしょに「相撲甚句」を歌いながら飲むのがよかった。
アマチュア相撲は、八百長がないのでいい。プロになる、というのは
どの世界でもたいへんなことだ。