うちでは、珈琲の豆を「石臼」で挽いている。
筑波山の麓にある真壁という石の里でつくってもらったものだ。
その縁で、「しげふじ」に通うようになった。そこは蕎麦屋で、豆腐と蕎麦の二枚看板。
豆腐を毎日石臼で大豆を挽いて手作りしている。窓から見える里山と風景と豆腐を
酒肴に、主人が再興した「渡り舟」という酒米でつくった「渡り舟」を飲みながら、そば前
をやっていると、ついつい飲みすぎてしまい、帰りは助手席で大いびきということがしばしば。
でも11月の末でこのお店は閉店。土日は「てんてこ」状態なので、平日にいける人はいかれてくだされ。
こんな蕎麦屋はこれからは生まれないと思う。
石岡には「フラワーパーク」というのがある。その前に今年の四月に素敵なカフェがオープンした。
「Kikusa」という。おだやかで、石岡の母のようなやさしい主人が迎えてくれ、店内には木を、とくに
「杉」を野草で染めた「道具」が、楽しそうに並んでいる。珈琲を所望すると兄弟のような気の珈琲
カップに入れた慈悲深い珈琲がでてくる。里山の空気の中で深呼吸するみたいに、すがすがしい後味
を楽しめる。
12月の第一日曜日に、この街で有機農業をやっている若者たちに頼まれて、彼らがつくった「蕎麦」を
打つことになった。人はみなはやくもおそくもなく、必要な人と出会うようになっている。
「無駄のない縁で繋がっていく人たち」に感謝しながら、毎日を楽しく生きていくほど幸せなことはない。
明日は金曜日だけど、16時閉店。「素敵なジャズ」がある。日々是好日。