カルロス・ゴーン経営を語る (日経ビジネス人文庫)日本経済新聞社このアイテムの詳細を見る |
カルロス・ゴーン経営を語るを読んだ。
久しぶりに本を読んだ。ここ最近、自転車に夢中になってたので、頭の中も
それに占領されていた。
500ページを超える長編だった。
カルロス・ゴーンというとコストカッターの異名が先行して冷徹なビジネス
ライクな判断をばしばしやるような先入観があったので、この人の本を読もう
とは思わなかった。
またまたブックオフで100円文庫で見つけてなんとなく読んでみるかで手にしたが
なかなか良いことが書いてあった。ゆっくり読んだのと最初から感心を高く持って
読んでたわけでないのでこれという残ることがなかったが納得できる内容であった。
カルロスゴーンの生い立ちから始まり、ミシュラン、ルノーの経営者から得た
ものが貴重なノウハウとなり、ブラジルで経営を実経験し、ルノーへ移籍する。
日産とルノーが提携し、日産の再建をミッションに来日したときのこと。
日産を乗っ取るつもりできたわけでなく、日産の無駄を排除し、建設的、合理的
に企業の再生をはかる。ルノーのフランス方式での再建ではなく、いたって基本
に忠実に、基本方針と戦略、目標を日産リバイバル180という言葉に集約させて
目標に対しコミットし、そうなるよう結果を出す。
こう書くとやはり、血が通わない冷徹さをイメージしてしまうが、この本に書かれ
ていることは、まずは、日産の社員に現場の状況、問題点を聞き出し、これを
社員みずからが改善できるよう自発性を導く。
強制ではなく、再生の目標は、社員から聞き出したことをベースとして、戦略を
実践する。日産、ルノーそれぞれのアイデンティティを尊重し、ルノー色に染める
のではなく、日産の合理性と健全性を復活させた。
書かれていることは、ゴーン氏のインタビューをもとに書かれているということで
わりとよいことしか書いていないが、経営の一般的なマインドを知るということで
は、各章も短く読み進め易いので、これはこれで良いかと思う。