行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)友野 典男光文社このアイテムの詳細を見る |
経済学というと、マクロ的な印象があって、経済の現状に合わないとかあくまでも
指標の一つとかそんな印象をもっていました。新聞紙上の経済指標と現実の景気感
と乖離していることは、あまり深くは考えなかった(経済学は不勉強でしたので)
のですが、この本を読んで理由の一つが理解できました。
勉強している人からすると(というか常識的に考えれば当然なのですが)経済学の
基盤というものは、至極合理的な人、経済人の前提で、各理論とかモデルが成り
たっており、あくまでも条件が閉じた世界で成り立ってるようである。
標準経済学というのは、人の感情や時間などにあまり縛りを受けずあくまでも
合理的な経済人がタイムリーに投資や活動をすることが基本スタンスで成り立って
いるということがこの本を読むことで実感できました。
行動経済学については、研究もまだ日が浅いようであるが、人々の心理を経済
動向のトリガーと考える部分は、納得できる部分である。人々の心理、時間経過
ともともに動く利得の考え方、参照点からの利得、基準、時間の動きなどで
人々の受ける心理的影響により経済動向が大きく変動する。この影響の要素も
いろいろなパターンがあり、そのテーマごとで面白く読めました。またそのテーマ
を理解することで、経済というか身近な商売とか、消費とかの行動パターンが
マッチすることを実感できるのが、面白いと感じました。ただ経済学の知識の
薄い私からすると、各テーマを実証、実験してる経済学者の名前とか、用語が
すこしばかり紛らわしく、テーマによっては読み返すこともしばしばありました。
380ページありますので、最終章については、人間の脳と神経と経済の関連が
述べられており、この辺はスピードを上げて読み進めたくなり、なかなか
根気も必要になる本でもありました。(私的には・・・)