グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 を読みました。
ブログ、SNS、Youtubeなどを使ったコミュニケーションを個人、企業の間で
円滑に機能させるための指針となる良書です。
グランズウェル 大きなうねり。
ブログ、SNS、Youtubeなどを使って個人のほうから製品、サービス、企業の
評価、善し悪し、ブランドを決めれるというこれまでの媒体にはなかった
うねりが大きく広まっている。
ブログが出た当初は、多くの人が発信する情報、評価などは少数派で、
ネット上で飛び交う情報や評価がどこまで信憑性があって、信用できるのか?
評価などを発信している母数が大きいのか? 影響があるのか?など
個人的にも実世界とはまた別のネット上の範囲でのことだなと思っていたが
ここ数年のこの媒体たちによる影響というのは、早い速度で浸透してきている
と痛感する。
そういうものに対して従来のスタイルでマーケティングをし製品やサービスの
情報を一方的に吐き出していた企業は、この媒体や参加する人々に対して
どう接してよいのか困惑してきた。
本書は、そういう状況に対する指針や、個々の事例やネット上の人々の
すみ分けによる戦略を展開するための重要な方法論が書かれている。
コトラーのマーケティング3.0でいうところのニューウェーブ技術
(ブログ、SNS、Youtubeなど)は、参加する人が主役であくまでも人を
対象に物事を見聞きして活性化するようなかかわり方が必要と書かれている。
この大筋は、コトラーの言うところと同様だと思った。
まずは、グランズウェルがどんなものか概要を理解し、そこに参加する人を
すみ分けし、ターゲットの対象の分析をして誠意をもって対処する。
決して企業側からの目線で対話するのではなく、グランズウェルの住人として
同一の目線で対処することが肝要だと思う。
本書は、
ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールというブログ、SNS、Youtubeなどニューウェーブ技術を理解し、
参加する人を創造者 批評者収集者 加入者 観察者 不参加者という
すみ分けを行い、企業の取り扱う製品、サービスに応じて関わる人々の
行動パターンの概要を捉え、対応していく事例と方針が具体的に書かれている。
それだけに企業側の視点で読み進むと同時に個人の取り組みかたなども
合わせて考えさせられる本だと思う。
企業の戦略を立てるにあたって、基本的の対処の方針としてグランズウェルに
に対し
1.耳を傾ける。
コミュニティにリサーチしたり、モニタリングを行う指針
2.会話をする。
ブログ、コミュニティを使ってのマーケティング
3.活気づける。
参加する人、顧客を活気づけ、仲間へ拡散するよう働きかける
4.支援する。
顧客の相互扶助を促進することでコミュニティや個々人の主張を
支援する。企業はそこで、口コミによる広がりや洞察する機会を
得て対処する。
などが主な内容です。
社内のSNSについても自由闊達、秩序あるコミュニケーションの発達を
目指して、企業の経営層自らが参加し自由な意見を求めているということで
そのスタイルのひとつひとつが気になるものである。
コトラーも視野にいれているが、会話する、話を聞く、参加する人へ協力する
という基本的な行動は、企業だけでなく、個人に置き換えた場合でも
有用なものであると主張する。
カーネギー、コトラーの著書にも影響がでますが、最大限のアプローチは
誠実、謙虚、協力姿勢などで回るコミュニティになっていくものだと考える。