心分かち合えるものあるというのは、変え難いもので、何にも変えることができない。
世に棲む日日〈2〉 (文春文庫) | |
司馬 遼太郎 | |
文藝春秋 |
2巻から高杉晋作が登場する。
だんだん面白くなる。松陰のことがもう少し、赤裸々に書いてあると
松陰の醍醐味、人物の大きさが理解出来るような気もして少々物足りなさ
を感じた。話のなかでは、あっさりと消えていく。高杉が心底傾倒する
松陰の描写を読むと、過大さが先走りするわけでもなく、この時代の説明や、
時代描写が興味をそそる。
松下村塾に高杉は通うのだが、それほど、松陰とは数多く接している感じではなく、
その過激な思想に影響され、倒幕の攘夷論を突き進める中核となる。
本巻では、晋作の強烈なキャラクターや思想というものには、多くはふれてないが
その片鱗を見せる。その凄さが発揮されるのは、次巻である。