goo blog サービス終了のお知らせ 

ロードバイクで走って読んでアウトドア

ロードバイク、ジョギング、Swim、読書、Flyfishing、キャンプ、テニス、PC、Zaurusで遊ぶ遊ぶ。

だめだこりゃ を読んだ。

2007年08月31日 00時19分42秒 | 読書評
だめだこりゃ (新潮文庫)
いかりや 長介
新潮社

このアイテムの詳細を見る

だめだこりゃ を読んだ。

これもBook offの激安本でゲット。
いかりや長介というとドリフターズのリーダーでガミガミ声のコメディアンという風に子供のころは思っていたのであるが、晩年の俳優業でみる彼の姿は、役者という面もふくめて、渋さや沸き上がるものを押さえて深々と語りかけるような演技が妙にはまっていて好きな俳優の一人であった。残念ながら既に他界されいるが、その演技はまだまだ見たかった。

この本は彼の自叙伝であるが、ドリフターズの発足から、コメディアンとして1本立ちするまでの過程、全員集合のスタートから、毎週毎週のネタ出し、構成など、4流、5流のコメディアンたちの集りということで段取りを綿密にねって番組を進めていたことなどの回顧録である。全員集合はあれだけインパクトのある番組でありながら毎週生放送で進めていた一大プロジェクトであった。会場に実際の客をいれての公開形式だったので、スタッフの台本どおりでは、実際のウケがとれるかどうかというところもあって、だいぶ著者によって変更していたようだ。この辺のプレッシャーは、大きなものがあって10数年を越えたころには、疲れきっていたようだ。よく続けられたものだと驚愕するばかりだ。晩年の俳優業は、自身では下手だというふうに書かれているが、独特の味があり、彼の演技は好きで、なんとなく出てる番組にチャンネルを合せたくなっていた。

彼の演技と重なるのであるが、全体として文体も控えめで、淡々と語るような内容なので引き込まれるものがあった。それにしても、この昭和という時代を賢明にきり抜けてきた方の話というのは、リアルで少々豪快でその直向きさがじわじわと伝わってくるのは、現代の便利さや豊かさからくるものとの乖離があって、頭が下がるばかりである。

この記事についてブログを書く
« カラー版 続・ハッブル望遠鏡... | トップ | 持つべきものは、仲間ですね。 »

読書評」カテゴリの最新記事