◆手ぶらで脳トレ、ハングル読み
福岡市内を走る西鉄路線バスの車内のバス停案内は、まず日本語(多くは漢字)で、たとえば「次は天神三丁目」と表示され、次の瞬間、英語、ひらがな、ハングルの表示が出る。この間までは、主なバス停しかハングル表示は出ていなかったが、最近、全部のバス停についてハングル表示されるようになった。
最近は、それを材料に、バスの中で脳トレしている。
私は韓国のことばは学んだことはない。勉強したら面白いかもと思ったことはないでもないが、あとまわしにしている。だからハングルも当然のことながら最近までは全く読めなかった。
バスのなかでぼんやりハングル文字を眺めていて気がついたことは、「博多」「赤坂」という福岡市内の地名は、全部、右側に片仮名の「ト」のような文字が入るので、日本語五十音でいうところの「ア」の段はハングルでは「ト」がつく、と気づいた。「渡辺通り」も、最初の三文字に「ト」がつく。「ト」=「a」か。ちゃんと習うとすぐに教えてもらえることに違いないが、そうして見てみると、ハングルは、実に整然とした秩序を持ってつくられた表音文字なのである。つまり、バズル感覚で読めるのである。構成する文字図形も実に明快で、片仮名の「ロ」「フ」「ス」「レ」「ヲ」などに近い形から成る。ただ、日本語片仮名の発音とは無関係なのである。
次のバス停の日本語表示が出ると、その次に出て来るハングル文字列を予測する。間違っていたら指書きしながら脳内訂正上書きする。それを、バスの中で暇なときに繰り返していたら、少しずつ読めるようになった。あえてハングル表を参照せず、読みから得られる規則性を考えながら読んで行くのだ。結構面白いのでやってみたらいいと思うよ。
表示は、バスの前の方であるので、大概数メートル先である。時折ピントを合わせるようにするのは、進む一方の近視を食い止めるのに役立ってくれるはずである。