発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

あれから七十三年 十五人の戦後引揚体験記  15/1,390,000ということ

2018年07月18日 | 本について

◆発売中の新刊です。

『あれから七十三年 十五人の戦後引揚体験記』堀田広治監修 ISBN978-4-901346-63-4

 どうぞよろしく。1500円+税

 ◆博多港引揚に関する本です。表紙は「那の津往還」。豊福知徳氏の作品で、博多港中央埠頭、マリンメッセ横に設置してあります。これは引揚げた人々の記念碑です。

 ◆マリンメッセは、大きなコンサートや、モーターショーや、アイススケートのグランプリファイナルの会場にもなる多目的の建物です。すぐ近くには国際旅客ターミナルがあり、今では、釜山に行く定期フェリーや高速艇のほかに、巨大なビルディングにそのままスクリューをつけたような客船が、外国からのお客様を何千人も載せて毎日のようにやってきます。平和と繁栄の象徴のようなウォーターフロント地区の一角にこの記念碑はあります。

◆ 博多港にもうじき着く引揚船の写真は、どれも、甲板は人でぎっしりです。能古島と志賀島の間を通って博多湾に入ると、船からは博多福岡の町が見えてきます。その後背には緑の山々が控えています。あれは立花山、油山、叶山、背振山……この記念碑は、背伸びをして祖国の影を見つけた人々の姿だと、私は思いました。

◆博多港には139万人が引揚げてきました。139万通りの引揚体験が存在するのですが、この本にはそのなかの15人の引揚者の手記を掲載しています。壮絶な体験です。あの戦争とはどういうことだったのか、の欠片の15個です。

 

コメント (1)
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