2011/11/9、東京国際フォーラム、ホールAでの開催。
映画本編以外のことは別記事にて。
***
ブラッド・ピット、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョナ・ヒル、ケリス・ドーシー。
*
2001年、アメリカン・リーグ、プレーオフ地区シリーズ、
オークランド・アスレチックスは2勝3敗でヤンキースに敗れた。
GMのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、オーナーによくやったとは言われるが、
チームの要である選手の多くをFAで失ってしまう。
ビリーは有力な選手を抑えるため、もっと金を出してくれとオーナーに頼むが、
オーナーは金持ち球団の真似をする気はないと断わる。
ビリーは自らクリーブランド・インディアンズに乗り込んで交換トレードを申し入れるが、
スタッフの一人に目をつけ、選手ではなく彼を引き抜いてしまう。
そのスタッフ、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)は、
ビル・ジェームズのセイバーメトリクスを応用した指標で選手を評価、
ビリーは彼を自分の知恵袋として利用する。
スカウトとの対立、選手との軋轢、マスコミの冷ややかな評価、
2002年シーズンの幕開けは、最悪の出だしで、ビリーは苦境に立つ。
はたしてビリーの賭けは吉と出るか凶と出るか。
**
弱小貧乏軍団を独自の理論によって強化、常勝軍団へと変えていった、というと、
何かスポ根もののように聞こえるがそうではない。
言わば経営指標に基づく経営哲学の実践編みたいなもので、
仕事に専心しながらも仕事と家庭の狭間で苦悩するGMの姿が見て取れる。
ただ、映画としてはビリー・ビーンは正しかったで構わないのだが、
現実問題として、松井秀喜や岩隈久志の立場を考えるとやや微妙。
**
セイバーメトリクス理論は、この時急に生まれたものではなく、
1980年代から世に知られていたそうだ。
しかし、一部の愛好家には人気があったもの球団経営には生かされなかった。
1983年ビリー・ビーンの前のGMであるアルダーソンが適用し始め、
1990年代半ばに球団経営が苦しくなってからは
メジャーでも使うようになり、現場との対立が激しくなった。
1997年、GMとなったビリー・ビーンはこの施策を推し進め、
実際には徐々に効果を発揮したということで、
2001年から2002年に急に強くなったわけではない。
*
「新しい指標」はアメリカではすでに一般的なもので、
細かい分析も日常的に行われている。
日本ではまだまだ評価の低いOBP(出塁率)や
OPS(出塁率+長打率)が重く見られている。
また、打者でいえば対左投手/対右投手、チーム別、スタジアム別、
デイゲーム/ナイトゲーム、カウント別、走者別などの数字が簡単に手に入り、
個人でも分析をする人が多いようだ。
例えば、ボテボテの内野安打もクリーンヒットも同じとするならば、
四球も出塁という点では同じ価値があり、打率よりも出塁率の方が
得点との相関性が高いといえる。
こういった個人の打撃能力指標よりも得点に結びつくかどうかを
評価の対象とした分析が有効とすると、従来指標では
「不当に低く(安く)評価されている」選手がいるわけで、
その分安い年俸で得点能力の高いチーム編成ができる。
しかし、各チームが評価の指標を同じように変えてくれば、
また同じベースになり、金持ちが有利になるのは自明なので、
また新しい観点が必要になってくる。
*
2001年のアメリカン・リーグ(以下、ア・リーグ)西地区優勝は
マリナーズの116勝46敗。2位はアスレチックスの102勝60敗。
102勝もすごいが、マリナーズの116勝はあきれるほどすごい。
この年、アスレチックスは、ワイルドカードでプレーオフに進出し、
ヤンキースに2勝3敗で敗れている。
2002年、ア・リーグ西地区優勝はアスレチックスの103勝59敗。
しかし地区シリーズでツインズに2勝3敗で敗れた。
2003年、アスレチックスは96勝66敗で地区優勝したが、
地区シリーズでレッドソックスに2勝3敗で敗退。
実は、2000年には91勝70敗で地区優勝したものの
ヤンキースに2勝3敗と地区シリーズで敗退しているため、
4年連続地区シリーズ敗退となっている。
とはいえ4年連続プレーオフ進出はそれはそれですごい。
**
役者としては登場しないが、多くの選手本人が実写で登場、
演技と実写をうまく混ぜている。
劇中でレッドソックスに移籍したジョニー・デーモンが、
もともとは短髪でひげなしとは知らなかった。
ヤンキースとのプレーオフではデレク・ジーター、バーニー・ウィリアムズらが写る。
また、一瞬だがマリナーズ戦の中継画面にイチローの顔が大写しになる。
映画本編以外のことは別記事にて。
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ブラッド・ピット、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョナ・ヒル、ケリス・ドーシー。
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2001年、アメリカン・リーグ、プレーオフ地区シリーズ、
オークランド・アスレチックスは2勝3敗でヤンキースに敗れた。
GMのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、オーナーによくやったとは言われるが、
チームの要である選手の多くをFAで失ってしまう。
ビリーは有力な選手を抑えるため、もっと金を出してくれとオーナーに頼むが、
オーナーは金持ち球団の真似をする気はないと断わる。
ビリーは自らクリーブランド・インディアンズに乗り込んで交換トレードを申し入れるが、
スタッフの一人に目をつけ、選手ではなく彼を引き抜いてしまう。
そのスタッフ、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)は、
ビル・ジェームズのセイバーメトリクスを応用した指標で選手を評価、
ビリーは彼を自分の知恵袋として利用する。
スカウトとの対立、選手との軋轢、マスコミの冷ややかな評価、
2002年シーズンの幕開けは、最悪の出だしで、ビリーは苦境に立つ。
はたしてビリーの賭けは吉と出るか凶と出るか。
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弱小貧乏軍団を独自の理論によって強化、常勝軍団へと変えていった、というと、
何かスポ根もののように聞こえるがそうではない。
言わば経営指標に基づく経営哲学の実践編みたいなもので、
仕事に専心しながらも仕事と家庭の狭間で苦悩するGMの姿が見て取れる。
ただ、映画としてはビリー・ビーンは正しかったで構わないのだが、
現実問題として、松井秀喜や岩隈久志の立場を考えるとやや微妙。
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セイバーメトリクス理論は、この時急に生まれたものではなく、
1980年代から世に知られていたそうだ。
しかし、一部の愛好家には人気があったもの球団経営には生かされなかった。
1983年ビリー・ビーンの前のGMであるアルダーソンが適用し始め、
1990年代半ばに球団経営が苦しくなってからは
メジャーでも使うようになり、現場との対立が激しくなった。
1997年、GMとなったビリー・ビーンはこの施策を推し進め、
実際には徐々に効果を発揮したということで、
2001年から2002年に急に強くなったわけではない。
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「新しい指標」はアメリカではすでに一般的なもので、
細かい分析も日常的に行われている。
日本ではまだまだ評価の低いOBP(出塁率)や
OPS(出塁率+長打率)が重く見られている。
また、打者でいえば対左投手/対右投手、チーム別、スタジアム別、
デイゲーム/ナイトゲーム、カウント別、走者別などの数字が簡単に手に入り、
個人でも分析をする人が多いようだ。
例えば、ボテボテの内野安打もクリーンヒットも同じとするならば、
四球も出塁という点では同じ価値があり、打率よりも出塁率の方が
得点との相関性が高いといえる。
こういった個人の打撃能力指標よりも得点に結びつくかどうかを
評価の対象とした分析が有効とすると、従来指標では
「不当に低く(安く)評価されている」選手がいるわけで、
その分安い年俸で得点能力の高いチーム編成ができる。
しかし、各チームが評価の指標を同じように変えてくれば、
また同じベースになり、金持ちが有利になるのは自明なので、
また新しい観点が必要になってくる。
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2001年のアメリカン・リーグ(以下、ア・リーグ)西地区優勝は
マリナーズの116勝46敗。2位はアスレチックスの102勝60敗。
102勝もすごいが、マリナーズの116勝はあきれるほどすごい。
この年、アスレチックスは、ワイルドカードでプレーオフに進出し、
ヤンキースに2勝3敗で敗れている。
2002年、ア・リーグ西地区優勝はアスレチックスの103勝59敗。
しかし地区シリーズでツインズに2勝3敗で敗れた。
2003年、アスレチックスは96勝66敗で地区優勝したが、
地区シリーズでレッドソックスに2勝3敗で敗退。
実は、2000年には91勝70敗で地区優勝したものの
ヤンキースに2勝3敗と地区シリーズで敗退しているため、
4年連続地区シリーズ敗退となっている。
とはいえ4年連続プレーオフ進出はそれはそれですごい。
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役者としては登場しないが、多くの選手本人が実写で登場、
演技と実写をうまく混ぜている。
劇中でレッドソックスに移籍したジョニー・デーモンが、
もともとは短髪でひげなしとは知らなかった。
ヤンキースとのプレーオフではデレク・ジーター、バーニー・ウィリアムズらが写る。
また、一瞬だがマリナーズ戦の中継画面にイチローの顔が大写しになる。
面白かったです。野球やメジャーリーグに関する知識が無くても十分面白かった。
でも、知識が有った方がより楽しめるんでしょうね。
統計から考える野球が良いか悪いか、その野球の実践を最初にやった人の実話。
GMってこういう仕事していてこれだけの力があるのかって初めて知りました。
ブラピの演技が上手いのに驚いた。スター俳優って感じがして好感が持てましたね。でも、オスカーには後一歩かな?
オスカー候補の呼び声高いですね。
映画としては面白いのですが、この理論の結果、野球そのものが面白くなるのかは疑問もあります。
もちろん札びら切って、有名選手をかき集めたところで面白くないのは言うまでもありませんが。
球団もリーグもいろいろと努力しているし、ただ勝てばいいということではなく、ファン獲得の一環としての強いチーム作りだと理解しています。
これは私も野球好きの為、とても興味深く観れました。
GMという職業は名前だけ知っていましたが、実際どういったことをしているのかは知らなかったので、そういった点では色々と為になる作品だったように思います。
それとやっぱりブラピの演技は渋くて良かったです。
じわじわと感動させられるような作品でした。
でも、マネーボール理論だけに着眼するとちょっと違うかもしれませんね。
理論でロジカルに進めているようで、観に行くと負けるジンクスを信じていたり、それでも観に行かざるを得ない気持ちとか、娘への愛情とか、そういう面も面白かったです。
これは面白くみられました
なにをしているのかよくわからないGMの存在などもこの映画でしっかりとわかりましたし、野球には夢がある、というのもやはりわかりました
(まあだからといって急に野球ファンにはなれませんが/笑)
ブラピの人物造形はなかなか良く出来ていてやはり演技達者だな~と感じだ次第でございます