早く見とかないと終わってしまうかもしれない、と思っていた映画。
ところが、調べてみるとアメリカでは12/25の公開。これからの公開だ。
本家イギリスでは9/22の公開になっていた。
原題は「Children of Men」
東宝東和がプロデュースに一枚噛んでいるようだ。
なら日本版は、英語タイトルもトゥモロー・ワールドにしたところで
罰は当たらんでしょうに。
***
近未来のイギリス。子供が生まれなくなって久しい。
反政府活動家のジュリアン・ムーアに頼まれ、
クライブ・オーウェンが、おそらく妊婦であろう女の子をどこかへ連れていく。
予告からはそういう筋書きが読めてくる。
実際その通りなのだが、展開はもう少しどぎつい。
ヨーロッパにはナチの悪夢がいまだに頭にこびりついて離れないのだろうか。
なお、アメリカ版予告編では、女の子が妊娠していることがはっきりと映る。
***
ニュースが世界でもっとも若い男性、18歳の死亡を告げている。
この国では、いや世界ではもう18年も子供が生まれていないのだ。
町は薄汚れ、ごみが散乱し、排ガスに包まれ、
さながらメリーポピンズの世界(注参照)
セオ(クライブ・オーウェン)の通勤途上で爆弾テロが起き、
職場ではみんなが男性の死を嘆いている。
仕事が嫌になり、さぼって帰るセオ。
イギリス以外の世界各国は退廃、混乱を極め、
人々は安寧をもとめてイギリスに不法入国している。
イギリス政府はこれを厳しく取り締まり、強制収用所送りにしている。
ある日、セオは何者かに拉致され、
ジュリアン(ジュリアン・ムーア)のもとに連れて行かれる。
ジュリアンはかつてセオと行動を共にした活動家。
今も反政府活動をしている。
ジュリアンはある不法入国者の女性を
安全に国外へ連れ出すのに「通行証」を手に入れるようセオに頼む。
一旦は断るが、金に目がくらんで通行証を手にいれることに。
そして、その女性、若い黒人女性を連れ、車で移動中、群衆に襲われ、
あっと驚く事態が起こる。
(えっ、こんなところでこんな風になっていいの?)
活動家のアジトに戻った一行、セオはそこで
その女性の秘密と、襲撃の真実を知り、逃亡を決意。
その後の展開は、息を飲む迫力で進行する。
***
近未来が舞台とはいえ、
何時あってもおかしくない「今」を描いているようにも思える。
その意味では、「Vフォー・ヴェンデッタ」よりも真実味があるし、
「イーオン・フラックス」「ウルトラヴァイオレット」と
似たようなテーマながら、はるかに迫真的。
不法入国者の逮捕、強制収用所送りは、
ナチのホロコーストの模様を彷彿とさせる。
戦闘シーンは圧巻。
まるで戦場の同行カメラマンの撮った映像のようだ。
変な宗教的教訓もなく、
淡々と事実を切り取ったような表現方法は緊迫感があった。
爆破シーンなどはどうやって撮っているのか、
人が死ぬシーンはあまりにも現実味があって空恐ろしい。
長回し(ロング・テイク)でも有名な本作だが、
実は複数のカットをうまくロング・テイクに見せているらしい。
DVD版ではその辺りの秘密が明かされるかと思ったが、なかった。
あの長髪のまるでジョン・レノンのような風体はマイケル・ケイン。
声でわかっちゃうが、見た目は別人。
反政府活動家の中心人物の一人、ルークは
「キンキー・ブーツ」のキウェテル・イジョホーだった。
(注)
メリー・ポピンズの舞台は、20世紀初頭のロンドン。
煙突掃除屋が出てくるシーンを思い起こしてみると、
町中が煙突の煙で覆われていることがわかる。
実際にこのころのロンドンでは煤煙による死者まで出るほど空気が汚れていた。
ロンドンは産業革命以降の大気汚染や都市問題など
近代の社会問題の発端の地でもある。
ところが、調べてみるとアメリカでは12/25の公開。これからの公開だ。
本家イギリスでは9/22の公開になっていた。
原題は「Children of Men」
東宝東和がプロデュースに一枚噛んでいるようだ。
なら日本版は、英語タイトルもトゥモロー・ワールドにしたところで
罰は当たらんでしょうに。
***
近未来のイギリス。子供が生まれなくなって久しい。
反政府活動家のジュリアン・ムーアに頼まれ、
クライブ・オーウェンが、おそらく妊婦であろう女の子をどこかへ連れていく。
予告からはそういう筋書きが読めてくる。
実際その通りなのだが、展開はもう少しどぎつい。
ヨーロッパにはナチの悪夢がいまだに頭にこびりついて離れないのだろうか。
なお、アメリカ版予告編では、女の子が妊娠していることがはっきりと映る。
***
ニュースが世界でもっとも若い男性、18歳の死亡を告げている。
この国では、いや世界ではもう18年も子供が生まれていないのだ。
町は薄汚れ、ごみが散乱し、排ガスに包まれ、
さながらメリーポピンズの世界(注参照)
セオ(クライブ・オーウェン)の通勤途上で爆弾テロが起き、
職場ではみんなが男性の死を嘆いている。
仕事が嫌になり、さぼって帰るセオ。
イギリス以外の世界各国は退廃、混乱を極め、
人々は安寧をもとめてイギリスに不法入国している。
イギリス政府はこれを厳しく取り締まり、強制収用所送りにしている。
ある日、セオは何者かに拉致され、
ジュリアン(ジュリアン・ムーア)のもとに連れて行かれる。
ジュリアンはかつてセオと行動を共にした活動家。
今も反政府活動をしている。
ジュリアンはある不法入国者の女性を
安全に国外へ連れ出すのに「通行証」を手に入れるようセオに頼む。
一旦は断るが、金に目がくらんで通行証を手にいれることに。
そして、その女性、若い黒人女性を連れ、車で移動中、群衆に襲われ、
あっと驚く事態が起こる。
(えっ、こんなところでこんな風になっていいの?)
活動家のアジトに戻った一行、セオはそこで
その女性の秘密と、襲撃の真実を知り、逃亡を決意。
その後の展開は、息を飲む迫力で進行する。
***
近未来が舞台とはいえ、
何時あってもおかしくない「今」を描いているようにも思える。
その意味では、「Vフォー・ヴェンデッタ」よりも真実味があるし、
「イーオン・フラックス」「ウルトラヴァイオレット」と
似たようなテーマながら、はるかに迫真的。
不法入国者の逮捕、強制収用所送りは、
ナチのホロコーストの模様を彷彿とさせる。
戦闘シーンは圧巻。
まるで戦場の同行カメラマンの撮った映像のようだ。
変な宗教的教訓もなく、
淡々と事実を切り取ったような表現方法は緊迫感があった。
爆破シーンなどはどうやって撮っているのか、
人が死ぬシーンはあまりにも現実味があって空恐ろしい。
長回し(ロング・テイク)でも有名な本作だが、
実は複数のカットをうまくロング・テイクに見せているらしい。
DVD版ではその辺りの秘密が明かされるかと思ったが、なかった。
あの長髪のまるでジョン・レノンのような風体はマイケル・ケイン。
声でわかっちゃうが、見た目は別人。
反政府活動家の中心人物の一人、ルークは
「キンキー・ブーツ」のキウェテル・イジョホーだった。
(注)
メリー・ポピンズの舞台は、20世紀初頭のロンドン。
煙突掃除屋が出てくるシーンを思い起こしてみると、
町中が煙突の煙で覆われていることがわかる。
実際にこのころのロンドンでは煤煙による死者まで出るほど空気が汚れていた。
ロンドンは産業革命以降の大気汚染や都市問題など
近代の社会問題の発端の地でもある。
今晩は!お返事遅くなり、すみません
クライヴ・オーウェンは独特な雰囲気を持った
俳優さんですね。今回のセオ役はぴったし
だったと思います。
この作品、ほとんどSFでないような撮り方でしたよね。
私、この作品は、とっても好きでした。
なんだか、忘れられない作品でした。
TBさせていただきますね。
スパムTB多いようで、大変ですね。
私のとこは、最近はほとんど来なくなりましたが、酷いところには、本当酷いらしいですね。
確かにそう見えましたね。
近未来を描いているなかでは、
もっともリアリティがありつつ、
もっとも悲劇的でしたよね。
この映画、長回しでも有名ですが、
実は1カットではないという話もあり、
メイキングを見てみたいと思っております。