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皆既月食

2014-10-08 14:32:32 | 科学
今日は皆既月食。

TVでは盛んに3年ぶりとか、天文ショーとか言っているが
そんなにスペクタクルなものではない。

理論的に日食の起こる回数と月食の起こる回数ではざっくりと日食が倍多い。
しかし、日食は限られた地域でしか見えないのに対し、
月食は月が見える地域ならどこでも見えるため、
目にする機会は月食の方が多い。

また、日食は太陽が月で覆われて見えないのに対し、
月食は地球の影に月が入るのだが、光の散乱や屈折、回折によって
太陽光が地球の影部分にも回り込むため、真っ黒にはならず
赤褐色になるだけで、明暗の変化が日食ほど大きくはなく、
別に鳥が騒いだり、急激に気温が下がったりするわけでもなく、
インパクトに欠けると思うのは私だけだろうか。

ところで、某局で皆既月食の説明をするときに次のような図を使っていた。

もちろん、太陽、地球、月の比率は正しくないし、距離の比率も違うが
説明をわかりやすくするためだから、しょうがないというかやむを得ない。
私が突っ込みたいのはそこではない。

これは明らかな間違いで、日食の説明図を加工して作ったために
起こった間違いではないかと思う。

何が大間違いかと言うと、地球の影に月が「ぴったりと」嵌るところ。
これでは皆既月食は(皆既日食のように)ほんの一瞬しか起こらず、
すぐに陰から抜け、また満ち始めることになる。

実際には、月が影よりもずっと小さく、皆既月食の時間は結構続く。

地球と月の軌道が完全な同一円盤上ではないため、その時によって時間は変わるが、
今回の皆既月食の時間はほぼ1時間(59分と50何秒)続く。

また、影は完全に地球の影になる本影と太陽光が回り込む半影の部分があり、
満月が半影に入り、やや暗くなるフェーズを経て、
本影に入り赤褐色になり、また半影に出て、完全に影から出て満月に戻る。

図的にはこっちの方が正しいというか、こっちのようなものが使われるはず。

図の月は皆既月食になっている状態を示しているが、
これだと半影に入ることも、皆既食の時間のことも理解できるはず。

まあ、そんなにインパクトがないとはいえ、3年ぶりであることに変わりはなく、
どこでも見れるし皆既月食の時間も結構あるので、焦らずに観賞するのがいいかも。

部分月食開始=18:15頃
皆既月食開始=19:25頃
皆既月食終了=20:25頃
部分月食終了=21:35頃

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2 コメント

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同じく月の変化を観察できた幸せ。 (すず)
2014-10-08 21:50:17
 今晩は。

こちらでは、しっかり月の欠けから始まって、「レッドムーン」の後、また月が満るまで、しっかり観る事ができました。日本のあちこちで、リアルタイムで同じように観察しているその事に、感動を覚えました。

今回は、あまり遅い時間でもなく、寒い季節でもなく、身近な月という存在の変化を観察できて、お子さんたちにはとても良かったと思います。
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すずさんへ (KGR)
2014-10-09 02:43:36
結構大勢の人が関心を持っていたようで、皆既月食になる前後、外で空を見上げている人があちこちにいました。

こちらでは後半雲がかかってしまい、満月に戻るシーンは見れませんでしたが、思ったより暗い月が見れました。

どこまできれいに映っているか未確認ですが、とりあえず写真も撮ったので明日にでもアップします。
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