峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

猫の話 4 ~奇跡のような帰り方~

2006年05月03日 19時12分23秒 | 動物や昆虫など生き物の話
昨日の続きです。

ガンカイがもらわれた日の夕方だったと思いますが、母は母方の祖父母の家に行きました。
祖父母の家は歩いて3分ほどの距離でした。
帰ってきたとき母は、「ねえ、これ、ガンカイじゃない?」と子猫を抱いていました。
たしかにガンカイでした。

「どうしたの? なんで?」
と聞くと、
「おばあちゃんちの車の下で猫の声がしたから、覗いてみたら居たのよ」

たしかに、猫をあげた人の家は我家と祖父母の家の延長線上にあったようなのですが、
東京23区内の住宅地ですから、他にも家はたくさんあります。
むしろ、家ばかりといってもいいような場所です。
それに、祖父の家の車は門の中に停めてありました。
ガンカイは、帰るための一番の近道で待っていたのでした。

私はそれから自転車で近所を回り、パウロを探しました。
パウロが行方不明であることを、ボッチの兄弟をもらってくれた友達‘トカゲ’さんには話しました。
私は学校から帰ると、毎日パウロを探しました。
数日して、トカゲさんから電話がありました。

「うちの前で子猫が鳴き続けてるんだけど、パウロじゃない?」
すぐに行ってみると、たしかにパウロでした。

トカゲさんの家は、猫をあげた人の家と近いとはいえません。
みんなに猫が行方不明になったことを言いふらしたわけでもありません。
それどころか、その辺りではトカゲさんだけがパウロのことを知っていました。
パウロは、‘帰り着くために有効な家’をピタリと探し当て、を発したのです。

さて、その後しばらくして、猫をもらってくれた人が
「まだ猫はいますか?」と、来ました。
「じつは、この前、連れて帰る途中で逃げられてしまって」と、言います。

母が、奥にいた私に「どうする?」と聞きに来ました。
私は泣き出してしまいました。


もう猫をあげたくありませんでした。
必死の思いで帰ってきた猫たちを、このまま家で飼ってやりたいと泣きました。

母は、断ってくれました。

このとき、私は強く思いました。
「うちの猫は全部で9匹 もうあげないんだから
そう。このとき、家には猫が9匹いました。

おや
と、思われた方は、かなり賢い方です。(というか、普通そこまで数えない)
ポケ・ボッチ・ワル・チャメ・パウロ・ガンカイ・シャリホツ・清二………
(ギザ耳は野良猫だから、うちの猫ではない)
8匹じゃん

いえ、じつは、このとき もう1匹いました。
ワルたちより小さく、パウロたちより少し大きい猫。
この子はポケの子ではありません。
白と黒の♂猫、サブロウ。

サブロウは何故、ポケ一家だけで精一杯の我家に来たのでしょう。
それもまた面白い経緯がありました。

次回、猫の話はサブロウのことを書きましょう。