瀬戸内市長船町福里に鎮座される「美和(みわ)神社」。御祭神は『大物主神』。
社伝によれば「年代は不明だが、奈良県桜井市の大神神社から勧請されたと伝えられる。また、同町東須恵の美和神社から分祀したとの言い伝えもある。口伝によれば、神社は一時期廃絶していたが延享3年(1746)に岡山藩に対し再興を願い出、翌年、延喜式神名帳に名を連ねる古社であるとの理由から、藩主より江戸幕府に再興伺いを提出。これにより寛延2年(1749)神社の再興が成ったとされる。」Wikipediaより
四方共にずいぶんと開放的な神門で、その奥に真っ直ぐ拝殿が続きます。
拝殿内は絵馬殿も兼ねているようで、色彩豊かな絵馬を拝見することが出来ます。また正面の破風棟鬼飾りには「ウサギ」。
ご祭神である『大物主大神』は、出雲の『大国主神』と同一神とされており、因幡の白兎の神話から、御祭神に縁のある動物として登場します。
拝殿から神橋を経て本殿へ。その神橋の左右より神域を守護されるのは、備前宮獅子の一対。何箇所かに修復の後が見られ、大切にされているのが伺えます。
御本殿に向かって右に鎮座されるのは「境内社:四社様」。この「四社様」というのが、その名の通り四つの社をまとめて祀ったものなのか、それとも単独でのご祭神の呼び名なのか、今一つ良く分かりません。「四社様」の右手には「稲荷社」が鎮座されています。
拝殿の左前に鎮座されるのは「摂社:木野山神社」。古来より疫病に対するご神徳で知られており、明治9年頃から中国地方に猛威をふるった「コレラ」への対抗手段として分霊されたものと思われます。
最後は拝殿内の絵馬で、これはどうやら徳川幕府軍と新政権側との戦の様子を現したものに見えます。
京都五条の橋の上、ひらりひらりと欄干の上を飛び移る「牛若丸」と「弁慶」の様子を描いた絵馬。
何度も何度も柳に飛びつこうとする蛙を見て、己の努力の足りなさを恥じたと言う「小野道風」の逸話から。
最後は、三和神社境内での獅子舞の様子を写した写真ですが、こちらでの祭礼の情報は神社庁のページにも記載がありません。2006年の12月に何か特別な事があったのでしょうか・・。出来れば実際に見てみたいものです。
明治時代になり神社明細帳編成の際に、明治政府は、当「美和神社」を式外社と改め、長船町東須恵の美和神社を式内社であるとしました。式内であろうが式外であろうが、御祭神にはあずかり知らぬところでしょうね。
参拝日:2010年3月2日
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