瀬戸内市長船町土師に鎮座される「片山日子(かたやまひこ)神社」。御祭神は『片山日子命』。
社伝では「『片山日子命』は、片山に座す吉備津日子命の略称であるとする。創祀年代は不詳。当初は、現在地の南にある標高164mの甲山(神山、国府山)の山頂に鎮座していたが、中世(一説には後冷泉天皇天喜三年八月)、麓の現在地に遷座したと伝えられる。」
綺麗に掃き清められた境内、開放的な神門の左右には随身様が守護の任に就かれておられます。
もとは鮮やかな彩色が成されていたのでしょうが、長い時の流れに洗われて、おだやかな面持ちになられたようです。
神門から拝殿へと至る参道の両脇より神域を守護されるのは、何とも人間くさい表情の備前宮獅子一対。長船地区は備前焼で有名な備前市と隣接した位置にあり、かなりの確立で良い備前宮獅子さんに出会う事ができます。
神門から拝殿へ、こちらの拝殿は絵馬殿も兼ねられているようで、興味深い絵馬が残されています。
現在は合併して瀬戸内市の重要文化財となりましたが、参拝当時は長船町指定文化財であった「片山日子神社:和算額」。
「明治6年(1873年)10月に、邑久郡笠加村箕輪の入江信順が開いた算学塾「萬春亭」の門下生16名が各1題の幾何の問題を解いた算額である。額縁には龍の彫刻が施してあり、これは玉津村尻海の彫刻師である井上幽雪斎・鶴峰父子の手によるものである。」拝殿前の説明版より
拝殿向背の彫刻は「竹林に潜む猛虎」でしょうか。 ぎりぎりと青竹を噛み締める猛虎の視線の先にある物は何でしょう?
拝殿の屋根からは、逆巻く波の中で体をくねらせる龍が参拝者を出迎えてくれます。
社殿の左手に鎮座される「境内社:木野山神社」。ここでも疫病退散の願いを籠めて「木野山様」が分霊されたようです。赤い鳥居の境内社は「稲荷神社」。社殿の右手に鎮座されています。
ラストになりましたが、私の大好きな留蓋瓦の獅子の一対。顔の楽しさもですが、ピンと張り上げた後ろ足に思わず二度見😄
参拝日:2010年3月2日
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