状況を見定めて行くしかないだろうな

予想はしていたけど、東京都内の浄水場で放射性ヨウ素が検出された。
すでに放射能の数値がある程度高くなったときもあったのだから、検出されるのが当たり前と言えば当たり前。雨が降れば空気中のチリが落ちてくるので、必然的に空中の放射性物質が川の水に流れ込み、放射能の数値は高くなる。
そして今後も原発の問題が続くのだから、今後も良くなったり、悪くなったりすることがあるだろう。
政府が乳幼児に飲まさないよう求めたのはわからなくもないが、もうちょっと先を見据えて先手を打つことは出来ないのかと思う（野菜や牛乳の問題だって、この程度の状況は原発が最初に爆発した時点で想定できた）。

震災後しばらくの間、関東はパン、米、牛乳、カップ麺、ガソリン等の買い占めによる不足が発生した。
しかし今日の時点で、牛乳とガソリン以外はほぼ解決されている。今日の帰りに都内のコンビニを見たら、ほとんど前と同じ物量があった。
ただ、福島、栃木、茨城、群馬からの野菜や牛乳の供給が止まることで、第2の物資不足が発生する。
これら4県は関東に野菜、牛乳を供給する主要な県であり、残る千葉、埼玉もダメになった場合、極端な野菜不足、牛乳不足も懸念される。北海道などから根野菜や牛乳は入ってくるかも知れないが、葉物野菜は日数が持たないので供給源は近場が多い。さらに青森、岩手への交通が十分通っていないのも痛い。関東の農業県とも言える栃木、茨城、群馬からの出荷停止は、この後徐々に生活に響いてくるだろう。

そして今年の秋の米不足も懸念される。出荷停止の4県はいずれもコシヒカリ等を生産している。私が今自宅で食べているのも福島会津産コシヒカリ。実際の所、宮城のあたりは震災の影響で放射線測定が十分に出来ているわけではないだろうし、福島、宮城がダメになると今年秋から平成米騒動の再来もありえる。

原発の問題で、現場で頑張っている皆さんを応援しているが、残念ながらあれだけ破損が進むと、そう簡単には問題は片付かない。なんせ、放射線数値が高いから、放射能を抑えることが出来ない限り、廃炉にする作業も出来ないからだ。原発の問題が、すぐ片付くだろうと思っているならそれは大きな間違いで、完全になんとかする（最悪チェルノブイリの様にコンクリで囲ってしまうにしても）には数ヶ月はかかるのではないかと考えている。

正直、今後の展開はかなり悲観的なのだが、今すぐ死ぬわけでも、目の前に死が迫っているわけでもない。
政府は当てにならないが、状況を見定めて行くしかないだろうなと思う。
神奈川に住んでいる私は、東北、北関東、東関東の被災者の方々より、ずっとましな生活している。
被災者のことを思えば、こんな悩みはたいしたことないものだろう。