佐久間の駅から、飯田線沿いに少し歩き、嶺トンネルの手前の踏切を越えて上り道に分け入る。暫く行くと竜王権現様の滝があり、そこを超えて更に進むと北条峠に出る。この峠の少し開けた場所に佐久間町民俗伝承館とか言う名の古い木造平屋の民家が建っている。元々ここにあったのもではなく、移築されたもののようだ。ここでは、お茶や蕎麦などの郷土食が来客に供される。さて、ここの売店で、なにやら米(おこわ)と何かの穀類や何かの木の実を混ぜて、たこ焼きくらいの大きさの団子状に丸めてものが、透明のパックに6個だったか8個だったかかわいく整列して入っているのを見つけた。その時は峠を歩いてきて大変空腹だったので、思わずその旨そうな米&雑穀の団子とおぼしきものを購入した。僕の頭の中ではその物体はおこわそのもののような色合いと艶具合に見えたので、「醤油味の雑穀おにぎり」味に違いないと思いこみが確率していた。まして空腹に不味いものなし!なのだ。建物の外にある東屋(屋根だけで壁のない小屋)のベンチに腰を下ろし、早速パックを開けて口に放り込んだ。!!!んんん??ありゃ??醤油味じゃない!なんとそれはもの凄く甘いのだった。恐らく食事ではなくおやつなのだろう。つまりお握りではなくお菓子だ。はなからそう思って食べてれば、あるいはそれと知っていれば、何の不都合もなく美味しかったろう。だが、空腹の上に、醤油味お握りだと勝手に確信しているものだから、もの凄い違和感と脱力感がわき上がる。
こんな事もあるから郷土食は面白いのだ。
こんな事もあるから郷土食は面白いのだ。