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田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

旅の食22

2006-03-07 20:20:49 | 飯田線の旅
 佐久間の話が出たので、引き続いて佐久間の思い出話。
だいぶ前の夏に佐久間で降りたら、ちょうど祭りをやっていた。佐久間をご存じの方は思い出して欲しいのだが、駅を出ると細い県道の両側に民家が並んで佐久間の町が形成されている。つまり山間の谷間の、細い県道に沿った約1キロ弱の区域が、駅を中心とする佐久間の町並みだ。この路地に飾られた山車が出て、それを小学生が引いている。だが、ちょっと頭の中で想像して欲しいのだが、山車が移動できる範囲はその細い県道だけで、それも全長1キロにも満たない町の範囲だけだ。だから、仮に1往復しても2時間とはかかるまい。それはそれは悲しいほど質素なお祭りなのだ。でも、これが田舎町のごく当たり前の祭りの姿だ。僕の住んでいる田舎町でも、夏祭りはだいたい同じような状況だ。

 夏の暑い日差しの中、そう、近年佐久間は日本でも有数の酷暑地域として有名なのだが、冷房の効いた車内から出てすぐだから、もの凄く厚く感じる。駅を出てすぐ県道に突き当たり、そこを右に折れて進んだ。民家の軒先は祭り用の飾り付けで、いつになく華やいだ町の雰囲気だ。ほんの少し行った小さな店の店頭で、透明パックに入った(佐久間ではこの透明パックがスタンダードなのだろうか?)「小芋の煮っ転がし」を見つけた。商品にはならないような小さなジャガイモを、よく洗って皮ごと醤油で甘辛く煮付けたものだ、と思われる。芋の大きさはプチトマト程度で、そのてり具合が何とも旨そうだ。1パック200円だったか250円だったか、とにかくそんな値段だった。思わず一つ買い求め、早速駅に帰って開けた。口に放り込むと少し濃いめの甘い醤油味で、しかも芋の味もしっかりしていて、とても旨かった。しみじみと田舎のお総菜と言った味わいだった。