発想 Ⅳ
「イーストのように」
五日ばかりの音沙汰なしで
僕の無発想も復活したかも知れぬ
キリストのイーストのようにはいかなかったけれど
一週間もかからないでの再生は
ほんの少しの自信には成る
もしかしたら
誰かよりは
愛されているのかも・・の
自己に忠実なる論理に裏打ちされて
僕は再び
青空教室に出席し
それじゃ又、と
朗らかに今日の授業を終えるのだ
*
つい先日五日間の白日夢に侵された
無毛の不才能を知らされたのだ
そんなことが
何日も何日も重なれば
きっと
自己が空白になり
自己否定になりかねない
という恐怖を味わったのだ
それ故
幸いにも発想の起る間は
その幸せを弛まず発送すべきなのだと
改めて胸に刻んだのだ
*
霊長類ヒト科の動物とは
如何やら
見返りを求める種族のようなのだ
生まれた見返りを
生きた見返りを
死ぬ見返りを
そうして
その何れもを得る為に
苦悩する現実があると言う訳だ
*
深海に散らばって存在する
数多の物質を見た
人類が
所かまわず排出した
反吐の堆積物だ
汚れちまった想いを詰めて
路傍に捨てる空き缶の主のような
虚しい意思が
哀し気に積もってゆく
この惑星の遣る瀬無き真実
*
04/18 16:32:16