言語の巻・Ⅲ章「inochiの痕跡を」
其処に書かなければならない一行があって
書くべき言葉の筋書きが生まれ
僕はひたすら下部のように(何の?)
僕は忠実な下僕のように(誰の?)
僕は奴隷のように
未知なるものの強靭な意志に捉われて
然るべき必然の此処に居てpenを走らす
勤めのように、義務のように
それが営みの唯一の真実のように
目覚め、覚醒し、書き殴る
数行の
滴るinochiの痕跡
どうしてこの僕が
闇の黒から引き擦り出され
明暗のひと灯りを頼りに
夢中のおさらいをしている?
何ほどのことを言伝たいと・・
(誰の指図で?)
(何の因果で?)
けれど、兎に角
始まってしまった物語の
幾行目かの語り部になって
もはや、道筋の終焉が見えてくるまで
後戻りできない地点でpenを揮っている
ほんとうに書かなければいけないことに
ほんとうに向き合っているのかさえ
(謎の?)
(あやふやの?)
そうなのだが、此の瞬間を
確かに滾らせ、弾ませ、嬉々と移ろう己を
鮮やかに結像しながら・・
それは僕?
それはもう一人いる他人のボク?
ほんとうに書くべき筋かどうか
僕には不可能の判断だけれど
書こうとする意欲が
活き活きと僕の束の間の砂をgoldに変えて
明日の希望へ順送りしているのは、明白なこと
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