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22年目の告白 ―私が殺人犯です―

2017年06月14日 | 映画
22年目の告白 ―私が殺人犯です―
を観ました。


かつて5人の命が奪われ、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件。その犯人が、事件から22年後、突然みずから名乗り出た。
会見場に現れたのは、自身の告白本を手に、不敵な笑みを浮かべる曾根崎雅人という男だった。
顔を出し、肉声で殺人を告白する曾根崎の登場にネットは熱狂!
賛否両論をまき散らしながら本はベストセラーに。それだけでは終わらない。
マスコミを連れての被害者遺族への謝罪、刑事への挑発、そして、サイン会まで。
そのすべてがあらゆるメディアを通じて発信され、SNSで拡散されていく。それは日本中を巻き込んだ新たな事件(ゲーム)の始まりだった・・・。
日本中が釘づけにされる告白の行方はー?事件(ゲーム)は、とんでもない領域へと加速していく!


入江悠監督作品です。

予告編を観る限り非常にミステリアスな物語って感じで引き込むための設定は見事に思いました。
実際本編を観てみるとたしかにつかみが見事でかなり無駄とスキのないスピード感でどんどん引き込まれます。

作品的には大きな秘密、どんでん返しがあるのでネタバレの危険がありますね。
観るつもりがある人はまっさらな気持ちで観に行ったほうが良いのでこういうのは観終わった後読んだ方がいいです。
劇場でミステリーを堪能するには非常に面白い作品です。

冒頭に早送りのように日本の実際の22年間を走馬灯の如く振り返ります。
それは作品にリアリティを与えるのに効果的だと思いました。

物語もなかなかインパクト強い設定で、それの表現は見事でした。
殺人犯が世間を賑わす描写がリアリティあって理論的にも矛盾を感じなかったです。
なので劇中のワイドショーやら本のヒットなんかの描写を見てるとパラレルワールドを見ているような気分にさえなりました。
冒頭が実際の出来事だったので、物語も実際の出来事を見ているような錯覚になり見事でした。

時効だからと現れ世間のスター的存在になっていく殺人犯に対する倫理的な問いもなかなかリアリティありました。
それに対する憎しみを持つ人々。

ただ真ん中越えた辺りで大どんでん返しがあり大きく物語の毛色が変わります。
そこからは一気にテイスト変わりますが、ただ真相が気になり引き込まれます。
なので一本調子で行くより作品中でのマンネリがなく非常に楽しめます。

演出的にはちょいちょい感情的でくどいやつもありますが、そこまでしつこくないのでセーフでした。
個人的には激情的に意見を言い合うようなのは好きじゃないので。

どんでん返しは二重構造、三重構造になっているのですが、次に起きる大どんでん返しはある程度は予想できます。
予想できますがなかなか見事に成立させてくれています。
どんでん返しなんて予想できたからってクイズではないので威張れるものでもないですね。
やはりその展開が魅力的で面白いかどうかでしょう。
その点では非常に見応えあるどんでん返しではありました。

過去に起きた連続殺人事件そのものはそこまで残虐ではないですが、異常性はなかなかです。

主演の藤原竜也は相変わらず素晴らしいです、彼の良さはふんだんに発揮されています。
世間に堂々と出れる殺人犯というあまりにクセの強い役どころですが、なかなか見事に成立させています。
どんでん返しがあるので幾つかのキャラクターを演じなきゃいけない難しさはあったと思います。
この役は藤原竜也じゃなきゃ成立させられないだろう、とすら感じました。

そんな犯人を追った刑事を伊藤英明が演じています。
最近ちょっと悪人イメージもついてきましたが、久々にクリアな善人でした。
ルックスや体型含めてこういうハードボイルドの刑事はハマりますね。

仲村トオルのキャスター役も意外と様になっていて良かったです。

石橋杏奈と野村周平が22年前のカップル役でした。
阪神大震災から東京に逃れてきたカップルでなんか当時の大変さを思い出させました。
その辺の描写はちょっと忘れがちな阪神大震災を思い出させる良いクオリティでした。

なかなか好きな夏帆ですが、あまり出番は無かったので贅沢な使い方でした。

劇場で楽しむ娯楽映画としてはシンプルに楽しかったです。
オチもなかなか好きでした。


そんなわけで8点。

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