前回からのつづき・・・。
皮膚科の扉を開けて中に入ると一旦カーテンで仕切られた狭い空間になっていた。
すぐに「どうぞ」と聞いただけで医者とわかるような慣れた男の声で呼ばれた。
カーテンを開けるとそこは診察室。
簡素なベット低い丸イス。
職員室みたいな机。
あーこれだ、これが医者というやつだと、実感する。
志村けんのコントで見たことがあるやつばかりだ・・・。
(こう考えると知識の源はコントの世界 . . . 本文を読む
前回からのつづき・・・。
皮膚科に辿り着き待っていれば呼ばれるのかと思い廊下のソファーに腰を下ろす。
しかし後から来る人は皮膚科の窓口になにやら診察カードみたいなものを入れていく。
おや?おかしいぞと。
俺初めてだからそんなん持ってないぞと。
皮膚科の窓口は基本無人。
勇気を出して窓口で呼んでみる「すいません」と。
すると奥から看護師さんが現れ「どうしましたか?」と
腕が腫れてしまいと言うと、見 . . . 本文を読む
僕は7歳の時バイクに轢かれ足の骨2本骨折と顔と頭を怪我して死にかけ3ヶ月ほど入院したことがある。
それを除くと僕は30年間の人生、お見舞い以外で病院に行ったことがない。
サッカーで肉離れしたり、膝を痛めて歩けなくなっても、腰痛で動けなくなっても、40度の熱で気を失っても、持病の頭痛でしょっちゅうゲロを吐いても何故か病院に行くという選択肢は僕の中から欠落していた。
具合が悪いからと自分の足で病院に行 . . . 本文を読む
鉄コン筋クリートを見た。
宝町を舞台にクロとシロという二人の少年が空を飛び、駆け回る。
生きる事に絶望してシロを守ることしか存在意義を持たないクロ。
すさんだ町に暮らしていても決して汚れないシロ。
町を変えようとする極道たちと戦い、二人は自分たちの世界を守ろうとするお話。
僕と松本大洋の出会いは中学生の頃だった。
当時スピリッツで花男という漫画を連載していて、その独特の世界観にとても引き付けら . . . 本文を読む
わが子の様にかわいい二人の子供。
親戚の子供。
その子達には父親がなく、赤ちゃんの頃我が家で一緒に暮らしていたので、僕にとっては特別の存在だ。
その子達はもう六歳と四歳になった。
でも今日は二人とも二歳位だった。
そこに兄の子を加え、三人の赤ちゃんが笑っていた。
僕は小さいスプーンで彼らに食事をさせた。
不思議と癒される。
僕は何度も何度も繰り返し彼らの口元にスプーンを運んだ。
その度に子供達 . . . 本文を読む
時は際限無く流れていくかのような錯覚を作る。
なんとなく待ちわびた正月もあっさりと過ぎ去って行った。
正月は好きではなくむしろ嫌いなのだが、仕事を休める事が嬉しい。
実家に帰ると新しく増えた家族、0歳8ヶ月の姪っ子を中心に全てがまわる。
わずか数日でもノイローゼになりそうなほど泣く。
それでも家族たちはかわいくてしょうがない。
親父やお袋は視界に孫が入る度にリアクションをする。
子供はそこに居 . . . 本文を読む