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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

宇宙一愛おしい

2011年02月24日 | 思い出
一億回その名前を呼んでもおさまらない感情がある。

実家に暮らす愛犬のトイプードルのジャムはいつも健気に純粋に愛らしく生きてきた。

先日16歳になった。
残念ながら昨年から衰え始め、今や完全なる障害を持った老犬になった。

目と耳はほとんど機能していない。
ご飯も一度で食べれない。
足腰も弱りしょっちゅう転ぶ。
椅子の足や障害物にすぐにぶつかる。
頻尿でオシッコばかりする。
あちこちの扉を開けろと一日中クーンクーン鳴く。

残したご飯をもう一匹の犬が食べていたのを気づかず、
ジャムがしばらくまともにご飯を食べていなかったので軽くなってしまっていた。

最近は完全なる老犬として丁寧に面倒を見ているので体重も戻ってきて、少し元気になってきた。

実際に面倒を見ている両親には老犬介護の情報を伝え、食事や生活環境へのアドバイスをしている。


16年前、まだ家族の中で僕が無口だった頃、始めてジャムと出会った。
まだ赤ちゃんで母親の手に持つタオルの中にくるまって埋もれていた。
上手に歩けず斜めに走っていた。

生活は新しものづくしになり、
ひとつひとつの所作は永遠に見ていられると思うほど愛くるしかった。

最初はケージに入れていたので部屋から誰も居なくなるとキュンキュンと鳴いた。
その声が悲しかったので僕は夜中何時まででもジャムが深い眠りに落ちるまでそばにいた。
ケージから出して飼うようになってからは毎日僕のベッドで一緒に寝た。

そこそこ広さのある家でしたが僕がベッドを叩くと1階からジャムは走って上がってきて
勢い良くベッドにもぐりこんできた。
いつも一緒だったわけである。

僕が家を出てからも僕が帰省するたびジャムはとても喜び必ず僕の布団に入ってきた。


先日実家に帰った時、ジャムは夜中深く独りで徘徊して勝手口の段差から落ちて上がれなくなって静かにもがいていた。
僕は家族を起こさないように静かにそこに向かいジャムを抱き上げてそっと布団に連れ戻した。


夜の暗闇の中
布団の中のジャムの体温を確かめながら
少し切なくてやりきれない気持ちになり涙ぐむ。

河川敷で一緒に全力疾走した記憶がある。
ジャムは僕をなるべく悲しませない様に少しずつ死んでいるのだと実感した。

それはとても大きな優しさである。

僕にはジャム無しの世界などは考えられない。
しかしもうすぐそんな世界がやってくる。

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