メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

第六話 ひとりきりのクリスマス・イブ

2006年05月02日 | LAWSON CALLING
、---数年前僕はとあるコンビニエンスストアの深夜バイトをしていた。
住宅街にあるコンビニだからそれほど客は多くない。
毎日同じ客が同じものを買ってく、そんなコンビニだった。
深夜1時から朝9時までの間、店員は僕一人だけだった。
断っておくが僕は反社会的な思想を持っていた。---

以前にも書いた通り、コンビニで仕事をしていた期間、僕はロンリーウルフ(恋人がいない状態を指す)だった。
妄想ばかり暴走して常連のお客さんと恋に落ちる妄想にふける毎日。
人気の無い時間にはエロ本を読み虚しさに溺れる。

そんなロンリーウルフにも残酷な程に、毎年毎年クリスマスはやってきた。
当然僕は聖なる夜も一人コンビニのレジに立っていた。

仕事前にはクリスマスシーズン恒例のディズニー映画を一人で観に行く。
少しでもクリスマス気分にひたりたくてね。

驚く程にカップルまみれの映画館。予想を上回る状況、一人客はマジで俺だけ。
なぜそんな時期にディズニー映画を一人で観に行くかって?
それは僕が反骨の精神でいっぱいだからさ。

でまー観終わってガラガラの吉野家で飯食って、いつもの様にコンビニへ。

1時になり相棒のK君は帰ってゆく。

僕は一人映画の主人公気取りで孤独に浸る。

クリスマスイブの夜、うちのコンビニは客足が少ない。
そりゃそうだろう。
だってロマンティックな夜ですもの。
いつもと違う空気に町中の暮らしが浸水してしまっているのさ。

店のFMからは
・・・きっと君は来な~い ひとりきりのクリスマス・イブ♪・・・
この歌がしつこいほど何度もかかる。
まるで僕を責めるかの様に。

僕はレジの奥に腰掛けて、壁にもたれてうなだれながら数々のクリスマスソングを聴かされた。

特に悪い事をしたわけでもないのに、なんだか惨めな気分にさせられるのはいかがなもんか。

めっさベタな批判をするが、
貴様等全員キリスト教関係ねーだろが!!

配送のにいちゃんに奇妙な仲間意識を感じつつ夜は更けていった。

翌日のクリスマスも当然寝て終わり。

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