フラッシュバック

冬の二時間目の授業の時間

学年全体で体育館に集まり
何かの練習

練習の内容はさまざま

おのおのリコーダーを持っていたりする


広い体育館の空気はひんやりと僕等を包み

冷たい床がきゅっきゅと鳴る

子供達の話し声も心なしか小さい

こそこそ話す生徒は体育会系の先生に注意される

とにかく寒くて早く教室に帰りたい

高い天井を見上げると大きい照明が光っていた

落ちてきそうなイメージが消えない


これから始まる練習が嫌でたまらなかった

意味が無いと感じていた

僕は自分の人生の行く末を憂いだ


こんな寒い日にはそんな記憶がフラッシュバックする

何故だか今はそんな瞬間が恋しくてしょうがない

もしも僕がカセットテープならばそんな瞬間まで巻き戻すのだが

僕は違う



記憶はいつでも時と共に美化され

僕を切なくさせる