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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

2009年11月24日 | 映画
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない を観た。

以前に品川ブログでよく見かけたタイトルだったし、タイトルそのものが大分僕を引きつけていたので観に行きました。

僕の好きな「キサラギ」の佐藤祐市監督作品です。

(お話)
限界まで憔悴しきったマ男こと大根田真男(小池徹平)はスクランブル交差点で倒れこむ。

話は半年前にさかのぼる。
ニート生活をしていた三国志オタクなマ男は母親に愚痴られ「あんたが死ぬまでには就職してやるよ!」とキレる。
そんな息子の為にスーツを買いに行った母親はその帰りに交通事故で死んでしまう。
母親の死をきっかけに就職活動をするが高校中退の中卒、その後10年間のニート生活で面接で落ちてばかり。
唯一採用してくれた会社、黒井システム会社にマ男は入社し、希望を抱くがその希望は一瞬でぶち壊される。
その会社はブラック会社だった。

(ネタバレ:備忘録)
社長の読み間違えでマ男と呼ばれるようになる。
社長の前では胡散臭くいい人だったリーダー阿部道大(品川祐)は社長が去った直後から怒鳴りだす超スパルタ。
いきなり大量の資料と開発環境を与えられ、それを今日中にやれ!と言う。
定時なんて都市伝説だ終わるまで帰るな!と。
リーダー本人のスキルは低い。
机には失踪した前任者の寝袋と「殺される」と書かれたノートがあった。

目の前の席の井出(池田鉄洋)にドキュメントの読み方を聞くがスキルが低くわからない、ガンダムの話ばかりしている。
いつもリーダーに媚びている腹黒い奴。

隅っこではリーダーにいじめられまくっている上原さん(中村靖日)はいつも隅っこで挙動不審におびえている。

経理担当の瀬古(千葉雅子)は社長の愛人で他人と絡まず、会社の金を横領しており、他のメンバーの事を観察しノートにつけている。

リーダーに出身はどこだ?と聞かれ、早稲田と答えたマ男、ただ早稲田に住んでいるだけで中卒なのだが、エリートと間違えられリーダーにきつく当たられる。
これを届けて来い!と封筒を渡され1秒でも遅れたらクビと言われたので必死に走りタクシーに乗り相手先の会社に届けるが、別に持ってこなくても良かったと言われるいじめ。
タクシー代の領収書を渡すがこんなの経費にならないと捨てられる。

唯一藤田さん(田辺誠一)だけがマ男に親切にしてくれる。
しかもスキルも高い。

初日からデスマ(デスマーチの略)で地獄のような業務を与えられへこむマ男。
ふと目にした雑誌に載っていたブラック会社の条件に自分の会社は全て当てはまっていた。

翌日からも同じような地獄。
それでも辞めずに会社に行くマ男。
妄想の中でニート時代の自分が現れ、限界だから辞めろと勧めてくる。
しかし開き直って頑張り、毎日会社に寝泊まりし、藤田さんにも助けられリーダーが課した無茶な納期を見事こなす。
それが社長に認められ次のプロジェクトのリーダーに任命される。
リーダーは気に入らないが藤田さんがなだめてくれる。
相変わらずのデスマなので社長は派遣社員の中西さん(マイコ)を雇う。

マ男はリーダーや井出の相手に手こずるがまたも藤田さんに助けられ見事そのプロジェクトも達成しみんなで飲み会に行く。

中西さんに呼び出され告白されると勘違いしたマ男だったが、中西さんは藤田さんが好きでその相談をされただけ。
しかし中西さんはあっさりフラれる。
そんな中西さんに井出が告白するがめっちゃフラれる。

翌日から中西さんは精神的な傷と松葉杖で現れる。
常識人のフリをした異常な人だった。

そんな折新入社員の木村(田中圭)が入社してくる。
早稲田大学出身でなぜか大手システム会社からの転職。
マ男は木村の教育係を任されるが、木村は堂々とルールを破り、元気よく謝りリーダーに好かれる。

夜中マ男と木村が残業している時に木村の本音を聞く。
30までに起業しようと思っていたがベンチャーを乗っ取る方が楽だからそれを狙っている悪い奴だった。
2週間でリーダーをこなした人が居ると聞いたからこの会社にした。
レベルの低い人間ばかりだから簡単だ、藤田さんだけがやっかいだと言う。
藤田がそのリーダーだと思っている。

そしてある日マ男の履歴書を見たリーダーにお前中卒じゃねーか!とばらされマ男は嘘つきと一気にみんなに冷たくされる。

そしてリーダーに気に入られ相手先との打ち合わせにもついて行ってた木村は無茶苦茶なデスマの仕事を取ってきて社内は地獄の日々になる。
必死にみんなに指示する木村だが新人にこき使われみんな険悪に。

そんな時マ男の父親が倒れたと連絡が入る。
胃癌だった。
実はリストラされていて息子の成長を楽しみにしていた。

そして冒頭のシーン。
数日間の不眠不休と精神的ショックでスクランブル交差点で倒れるマ男。
会社に戻ると藤田さんが社長に退職の話をしているのを立ち聞きしてしまう。

オフィスに戻ると木村とリーダー達が喧嘩している。
もう間に合わないどうすんだ!と。
最悪の空気。

そして遂にキレるマ男。
俺は必死にやってきた、この会社に入れて正直めちゃくちゃうれしかった!
それなのに何だこの会社は!いがみ合ってばっかりで!
俺は中卒だよ、だから後がないよ!だから必死にしがみついてきた!
頑張れたのは藤田さんが居たからだ!なのに何で辞めちゃうんですか!
もう辞めてやるよこんな会社!
的な事を言って帰ってしまう。

マ男には数々の限界があったが本当の限界は藤田さんが居なくなってしまうことだった。

病院で父を見舞っていると中西さんが迎えに来て藤田さんの話を聞かされる。
フラれても諦めない中西さんに藤田さんは彼女の話をした。
かつて司法試験を目指して勉強していた藤田さんの彼女はこの会社みたいな劣悪な会社でプログラマーをしていた。
彼女は勉強中の藤田さんを支えていたが、過労で自殺してしまった。
その償いで藤田は彼女と同じような環境で働いていた。

それを聞いたマ男はニート時代の自分の幻想に別れを告げる。
お前だった時から俺はもう限界だったと。

そして会社に戻り仕事を始める。

マ男が帰ってきてみんなもやる気をだしてコーディングを始める。
今までになかったチームワークが生まれ、リーダーが上原さんを手伝うという信じられない光景も見られる。

そして徹夜作業の果てに何とか完成する。

そして井出は藤田さんとマ男に辞めるなと言う。

藤田さんはマ男を呼び出し、初めて自分の事を語る、そしてマ男の為に会社に残ると言いだすが、マ男はもう大丈夫だと言う。

そして藤田さんはマ男が必死に生きる様を見せていてくれたから今日まで頑張ってこれたと言う。
実は藤田さんもマ男の頑張りに助けられていたのだった。


(評価)
かなり素晴らしい映画でした。

前から気になっていたのに近所で上映してなかったので、寒い中わざわざ遠くの映画館まで観に行った価値がありました。

全く同じような仕事をしている自分にとってはかつてない親近感を覚える映画でした。
しかもちょうど最近会社の人間関係が嫌になっていて、もう辞めてやろう!と考えていたが、この映画を観てすっかりそんな気もなくなりました。

自分の会社なんて全然いい環境だなと思えたし、仕事に対する活力も湧きました。
ってか会社行って仕事したい気分になりました。

プログラマーをカッコ良く描いていて何だか嬉しい気分になりました。

キャストも演技もいぶし銀で良かったです。

小池君を初めていいと思いました。

そんなわけで8点です。

翌日の会社が憂鬱になる夜、面倒くささを乗り越えて観に行った映画。
かなりのめっけもんでした。

頑張ってる全ての人、仕事している全ての人を励ましてくれる、とっても時勢を反映したいい映画と思います。



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