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板尾創路の脱獄王

2010年01月18日 | 映画
板尾創路の脱獄王を観た。

僕の大好きな板尾さんの初監督作品と言う事で是非見ておかねばと結構遠くまで一人観に行ってきました。

(お話)
昭和初期が舞台。

ある嵐の夜、一人の男が華麗な身のこなしで看守達の死角から鮮やかに脱獄する。
そして刑務所の屋上で意味深に空を見つめる。

話は十二年前に遡る。男は鈴木雅之(板尾創路)。
胸に逆さの富士山の刺青がある。

鈴木は無銭飲食で捕まるが入所1時間で脱獄する。
しかし線路沿いを逃げているところをすぐに捕まる。

それ以来目を付けられるが、脱獄を繰り返す。

看守の金村(國村隼)は鈴木の事が気になりだす。


(ネタバレ)
鈴木は手錠をかけられた状態で監禁されるがすぐに手錠を外してしまう。
鈴木は毎日布団で顔を隠して眠るので看守に叱られる。
そんなわけで看守達に目を付けられいつもボコボコに殴られる。

それでも鈴木は懲りずに手錠を外したり、布団をかぶって眠る。

しかし一切喋らない鈴木の事が気になり金村は出世話を断り、その刑務所に残る。

そして金村が休みの日を狙ったかのように鈴木は脱獄する。
金村の推理通りにまたもや線路沿いで捕まる。

その後も鈴木は脱獄を繰り返し、世間でも脱獄王と呼ばれるようになり、関連商品が作られたりする。

鈴木は囚人の女から生まれた。
幼いころに一度だけ脱獄中の父に会った。
父の胸には富士山の刺青が入っていた。

時は流れ鈴木は別の刑務所に移され金村は出世して偉くなっていた。

そして冒頭の脱獄シーン。

鈴木は遂に脱出不可能な監獄島へと移される。
金村自ら搬送する。

ししてまたもや姿を消す鈴木。
そこで金村は気付く。
その島には鈴木の父も投獄されている事に。
鈴木はその父に会いに来たのだと。
そのために小さな罪を繰り返していたのだと。

病棟のような場所には多くの老人が居た。
一人の老人と向かい合う鈴木。
微笑み合う二人。
鈴木はそれが父だと直感でわかり、自作のグライダーで父をおぶさり空へと飛び立ち脱出する。

病棟に駆けつけた金村達。
そこには胸に富士山の刺青がある老人が座っていた。
「間違ってるぞ鈴木・・・」とつぶやく金村。


(評価)
板尾さんが撮った映画だけあって流石に変わっていておもしろかったです。
かなりシュールで静かで淡々としていて盛り上がりも一切ないので退屈感はありますが、いい感じの退屈感でした。

板尾さん演じる鈴木は何故か途中で劇中歌を歌いだしますが、そこ以外では一切喋りませんでした。

冒頭の脱出シーンで屋上に立った時に昭和映画みたいな雰囲気でタイトルが出ましたが、かなり物語が進んで再び同じシーンが来たらまた同じ様にタイトルが出たのでおもしろかったです。

國村隼、ぼんちおさむ、オール巨人、木村祐一、宮迫博之、阿藤快、津田寛治、笑福亭松之助、石坂浩二等、キャストが意外に豪華なので驚きました。まーほとんど吉本勢ですけど。

冒頭の暗い何もない牢獄のなかでもじゃもじゃのロン毛と髭もじゃの姿で胡坐をかいている姿は松本人志のしんぼるといきなりかぶった空気だなと思いました。
昭和っぽいシーンも大日本人みたいだなと思いました。

鈴木が一切喋らないのでいちいち意味深で良かったです。

そんなわけで6点。

もう一度観てみたいと思わされる芸術的な作品でした。

やはり盟友だけあって松本人志とセンスが近いのだなと思いました。



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