メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

花束みたいな恋をした

2021年02月01日 | 映画
花束みたいな恋をした
を観ました。


東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音やまね麦むぎ (菅田将暉)と 八谷はちや絹きぬ (有村架純)。
好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。
近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。
まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。
最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
──これはきっと、私たちの物語。


土井裕泰監督、坂元裕二脚本です。
どちらもかなりのヒットメーカーの印象ですが自分は特に坂元裕二脚本作品は大好物です。
しかも東京テアトル配給ということでより好物の予感がしましたが。
案の定かなり好みの映画で非常に面白かったです。

とてもロマンチックな若い男女の出会いととにかく生々しいやり取り。
若い頃ってこういう共通の趣味に運命的な物を感じて恋に落ちるもの。
自分は学生時代、東京進出してすぐのビレバンに通い詰めそこで知識やアイデンティティを育てたので。
いかにもその手のサブカル好きな感じの主人公たちでした。
聴く音楽のジャンルや本棚のラインナップ、趣味趣向がイチイチ自分の青春を重ねずには居られないくらい生々しい描写でした。

琴線に触れるセリフだったり心の声だったりが沢山で何でもないシーンでも急に感動してうるうるしました。
暮らしの感じや登場人物たちが喜ぶポイントなんかも繊細でとても見事でした。
イラストのバイトをしてる主人公やそれを応援する恋人などなんか良いなぁと思うシーンばかりでした。

冒頭に結論が示されていて回想劇なのでそれが忍び寄るような切なさを演出していました。
どんなにハッピーなシーンも刹那的で辛く見える要素を含んでいるようで。
ただ出会いの夜を含めそれを忘れられるシーンは本当にハッピーでただただほっこりでした。
思い返せば主演の二人以外はほとんどメインキャストが居ない作品だった気がします。
この手の映画にしては珍しく恋敵も居ないです。

皆が特別だと思う恋愛も結局はありふれたフォーマットの上で繰り広げられていて。
こんなロマンチックなカップルも社会の常識の波に飲まれて結局うまく行かないことが増えたり。
自分も経験したようなことばかりで切なかったですね。
若い頃の燃えるような恋って本当に花束みたいなものだなと、タイトルが見事だと思いました。

クライマックスのシーンはとても斬新である種の初体験だったかも知れません。
主人公たちの会話が止まって別の人たちの会話で涙を誘うような。
場内はなかなかの涙に包まれていました。
詳しくは言えないですが見事な演出だと思いました。
元来無駄にセリフが多いものや説明だけが目的のセリフや描写が嫌いですが、コレは見事だと思いました。
人が泣くときって結構こうして間接的に何箇所かに当たって反射してきた時が多い気がしますからね。

作中に出てくる人物やバンドや小説、漫画などは全部リアルにその手の人が好きなものばかりでとても良くできたお話だと思いました。
この辺は結構モテキを彷彿とさせるような、ちゃんとわかってる人が書いてると言うのが伝わりますね。

主演の有村架純は相変わらず可愛くて演技がうまくて最高でした。
リアルなカップルの彼女の雰囲気が完璧に演じられていましたね。
大抵の男はこんな女性が好きなので観たら恋してしまうでしょう。
可愛らしくて優しい女の子の一面から強くてたくましい一面までとても等身大の女性の説得力がありました。

主演の菅田将暉も相変わらずの実力でした。
ナチュラル系の演技をさせたらトップクラスですね。
怒りっぽくなったり険悪になるシーンは別の方法論が好みですが見事でした。
有村架純と菅田将暉は今この世代の人気と実力の総合力ではトップでしょう。

オダギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫など豪華なベテランが出てますがワンポイントって感じでした。

好みの清原果耶と細田佳央太がワンポイントでも重要な役で出てて嬉しかったです。

押井守やAwesome City Clubは本人役で出ててこの辺も作品らしいキャスティングでした。
Awesome City Clubはライブも見たことあるので嬉しかったです。

かなり好みの映画でボディブローのように効きました。


そんなわけで8点。
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