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スターリンの葬送狂騒曲

2018年08月06日 | 映画
スターリンの葬送狂騒曲
を観ました。


“敵”の名簿を愉しげにチェックするスターリン。名前の載った者は、問答無用で“粛清”される恐怖のリストだ。時は1953年、モスクワ。スターリンと彼の秘密警察がこの国を20年にわたって支配していた。
下品なジョークを飛ばし合いながら、スターリンは側近たちと夕食のテーブルを囲む。
道化役の中央委員会第一書記のフルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)の小話に大笑いする秘密警察警備隊長のベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)。
スターリンの腹心のマレンコフ(ジェフリー・タンバー)は空気が読めないタイプで、すぐに場をシラケさせてしまう。
明け方近くまで続いた宴をお開きにし、自室でクラシックをかけるスターリン。
無理を言って録音させたレコードに、ピアニストのマリヤ(オルガ・キュリレンコ)からの「その死を祈り、神の赦しを願う、暴君よ」と書かれた手紙が入っていた。
それを読んでも余裕で笑っていたスターリンは次の瞬間、顔をゆがめて倒れ込む。
お茶を運んできたメイドが、意識不明のスターリンを発見し、すぐに側近たちが呼ばれる。
驚きながらも「代理は私が務める」と、すかさず宣言するマレンコフ。
側近たちで医者を呼ぼうと協議するが、有能な者はすべてスターリンの毒殺を企てた罪で獄中か、死刑に処されていた。
仕方なく集めたヤブ医者たちが、駆け付けたスターリンの娘スヴェトラーナ(アンドレア・ライズブロー)に、スターリンは脳出血で回復は難しいと診断を下す。
その後、スターリンはほんの数分間だけ意識を取り戻すが、後継者を指名することなく、間もなく息を引き取る。この混乱に乗じて、側近たちは最高権力の座を狙い、互いを出し抜く卑劣な駆け引きを始める。
表向きは厳粛な国葬の準備を進めながら、マレンコフ、フルシチョフ、ベリヤに加え、各大臣、ソビエト軍の最高司令官ジューコフまでもが参戦。
進行する陰謀と罠――果たして、絶対権力のイスに座るのは誰?!


アーマンド・イアヌッチ監督です。
おそらくはじめましてな監督です。

タイトルからの想像とポスターくらいの予備知識で、前情報ゼロで見に行きましたが。
いやはや想像と全然違っていてメチャクチャブラックコメディでした。
シュールでハイセンスなコメディで想像以上に面白かったです。
劇場はかなり混んでいましたがなかなかの笑いが起きてました。
かなり秀逸なコメディ映画だと思います。

ちょいちょいグロテスクなシーンもありますがレーティングは無いようですね。

もちろんスターリンは実在の人物なので実話ベースのノンフィクションのようですが、かなり脚色はされているようですね。
ただ描写は脚色されているが、ストーリーされていないって感じのようです。

スターリン亡き後、一気にみんなのポジションが不安定になり、いわゆるイス取りゲーム状態で。
そのやり取りが露骨でブラックで見事でしたね。
細かい描写がイチイチ面白くて、シュールからベタから様々なコメディ盛り沢山で全然退屈する暇が無いです。

それでいてどんどん加熱していくイス取りゲームにクライマックスはなかなか衝撃的でした。
衝撃的に目的を達成したけどどこか虚しさもある見事なクライマックスでした。
こういう権力争いが虚しいものだという教訓のような。

あまり知らない歴史の出来事でしたがしれて良かったです。

ロシア舞台ですが全編英語劇です。
普段ならばそういう言語設定は嫌なのですがこの映画に関しては全然ありでしたね。
しかも英語表現を利用した笑いも組み込まれていたので。

主演の一人をスティーブ・ブシェミがやっていました。
自分の抱くイメージから大分老いたルックスでしたがらしさは出ていました。
そしてブラックでした。

サイモン・ラッセル・ビールがそのライバル役ですが、いち早く暗躍する実に嫌なヤツでした。

ジェフリー・タンバーが一応の後継者でしたが実に頼りなく、臆病なのにプライドが高く。
馬鹿にされるのが嫌で精一杯威張ってる感じが見事でした。

出番少なめですがオルガ・キュリレンコがこのポジションで出ているのは意外でした。

さほど期待値無く見ましたがかなり面白く、かなり好みの映画でした。


そんなわけで8点。

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