ウチに来たばかりの頃、ジャムはケージに入れられていた。
わからない事だらけの我が家族はトイプードルの飼い方の本を買ってそれを頼りにジャムに接した。
リビングのケージに入れられたジャムは家族がリビングから出て行くとケージにすがって鳴きまくった。
赤ちゃんの犬の可愛い鳴き声で。
夜寝る時、当時は家族の5人中4人が2階で寝ていたので、
置き去りにされたジャムの鳴き声が1階から2階まで毎晩の様に聞こえていた。
静寂を震わせる切ない鳴き声だった。
だから僕は毎晩一人でジャムが熟睡するまで側にいて、
ジャムが熟睡したのを確認したら気付かれないように、
泥棒の気分でそっと部屋を出て眠った。
夜遅くなっても何時も側に居た。
夜にジャムの鳴き声が響くことは無くなった。
そうしてまもなく、トイレもちゃんとするしケージに入れるのはやめて
家の中を自由に過ごさせる様になった。
ジャムは少しずつ我が家の環境に適応していった。
階段で2階に上がれる様になった。
しかし降りれずにいつも階段の上から鳴いていた。
降りれないなら登るな!とみんなが怒ったが我々の姿が見えないと寂しいのか、
すぐに2階に登っては鳴いてみんなをウンザリさせた。
母は階段を登れない様にするため柵を置いた。
しかし僕は根気強くジャムを階段から降りれるように訓練した。
下で僕が構えていると一段一段ずつなら降りられた。
だから階段の一段一段におやつを置いて必死に訓練した。
ジャムは見事にその苦労と期待に答えてくれて、
階段を自由に登り降りするようになった。
そうして毎日僕のベッドで一緒に眠るようになった。
僕がベッドに入り「ジャムー!」と呼ぶと1階からジャムの走る音が響いた。
和室を通過し台所を通過し、リビングを通過し、廊下を走り階段に向かう音が聞こえた。
そうして勢いよく階段を登る音。
当然ジャムの足音はどんどんクレッシェンドしてやがて僕の足元で大きくジャンプする音が聞こえて、
僕のかけている掛け布団の上におもいきりボディプレスしてきた。
そうして嬉しくてたまらないといった仕草で布団の中に潜り込んでは
僕の腕に顎を乗せた。
そうして僕らは毎日一緒に眠った。
ジャムはいつでもペット用の甘いシャンプーの臭いがしていた。
毎晩がソレの繰り返しだった。
やがて僕がベッドに入り、下の土台をカンカンと鳴らすだけで家の何処に居てもジャムは走ってきた。
僕が呼べばジャムはいつでも僕の側に来てくれて
一緒に眠ってくれた。
僕に孤独は無かった。
あの足音を今でも鮮明に思い出せる。
可愛くて可愛くて
愛おしくて愛おしくて
僕を優しさで包んでくれた音。
わからない事だらけの我が家族はトイプードルの飼い方の本を買ってそれを頼りにジャムに接した。
リビングのケージに入れられたジャムは家族がリビングから出て行くとケージにすがって鳴きまくった。
赤ちゃんの犬の可愛い鳴き声で。
夜寝る時、当時は家族の5人中4人が2階で寝ていたので、
置き去りにされたジャムの鳴き声が1階から2階まで毎晩の様に聞こえていた。
静寂を震わせる切ない鳴き声だった。
だから僕は毎晩一人でジャムが熟睡するまで側にいて、
ジャムが熟睡したのを確認したら気付かれないように、
泥棒の気分でそっと部屋を出て眠った。
夜遅くなっても何時も側に居た。
夜にジャムの鳴き声が響くことは無くなった。
そうしてまもなく、トイレもちゃんとするしケージに入れるのはやめて
家の中を自由に過ごさせる様になった。
ジャムは少しずつ我が家の環境に適応していった。
階段で2階に上がれる様になった。
しかし降りれずにいつも階段の上から鳴いていた。
降りれないなら登るな!とみんなが怒ったが我々の姿が見えないと寂しいのか、
すぐに2階に登っては鳴いてみんなをウンザリさせた。
母は階段を登れない様にするため柵を置いた。
しかし僕は根気強くジャムを階段から降りれるように訓練した。
下で僕が構えていると一段一段ずつなら降りられた。
だから階段の一段一段におやつを置いて必死に訓練した。
ジャムは見事にその苦労と期待に答えてくれて、
階段を自由に登り降りするようになった。
そうして毎日僕のベッドで一緒に眠るようになった。
僕がベッドに入り「ジャムー!」と呼ぶと1階からジャムの走る音が響いた。
和室を通過し台所を通過し、リビングを通過し、廊下を走り階段に向かう音が聞こえた。
そうして勢いよく階段を登る音。
当然ジャムの足音はどんどんクレッシェンドしてやがて僕の足元で大きくジャンプする音が聞こえて、
僕のかけている掛け布団の上におもいきりボディプレスしてきた。
そうして嬉しくてたまらないといった仕草で布団の中に潜り込んでは
僕の腕に顎を乗せた。
そうして僕らは毎日一緒に眠った。
ジャムはいつでもペット用の甘いシャンプーの臭いがしていた。
毎晩がソレの繰り返しだった。
やがて僕がベッドに入り、下の土台をカンカンと鳴らすだけで家の何処に居てもジャムは走ってきた。
僕が呼べばジャムはいつでも僕の側に来てくれて
一緒に眠ってくれた。
僕に孤独は無かった。
あの足音を今でも鮮明に思い出せる。
可愛くて可愛くて
愛おしくて愛おしくて
僕を優しさで包んでくれた音。