愛がなんだ
を観ました。
猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。
会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。
友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話一本で駆け付け(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。
大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。
だけど。マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない・・・。
今泉力哉監督、角田光代原作です。
はじめましてな監督さんですが、前々から気になっていた映画で先に見た信頼する人達の評価も高かったのでかなり気になっていました。
近年は生活スタイルの事情やらサービスやらの事情でシネコンでしか映画を見なくなっていましたが久々にミニシアター鑑賞しました。
期待通りの相当好みの作品でした。
わざわざ映画にするほどでもないような生々しい20代の男女の恋愛模様です。
それに伴う生々しい生活模様です。
なんかめちゃくちゃ共感するような要素の連続でした。
かなり恋人っぽいけど恋人では無く、すごく親密に過ごす時期もあれば何ヶ月も連絡が無くなる時期もあり。
成田凌演じる男の行動を批判的に見る人も居るでしょうが大抵の男はこんな感じですよね。
自分の好きな人を追いかけながら自分のことを好いてくれる人を利用する。
距離感を探りながら過ごすけど相手がグイグイ来たら急に冷めてしまうパターン。
仮に自分の恋愛を映画化したらこんな感じで人を不愉快にさせてしまうかもしれないと反省しました。
そして岸井ゆきの演じる主人公の感じがまた絶妙です。
岸井ゆきのというキャスティングも絶妙です。
この手の行動をする女の子って本当にこういうタイプのルックスだと説得力あって。
昔から映像作品に出てくるモテないキャラの女主人公がやたら美女なのに違和感でしたが。
岸井ゆきのはもちろんかわいいし昔から注目してきた好きな女優ですが。
ザ・美人ってタイプでは無いので色んな女性の共感を得そうな気がしました。
そして明確では無い関係性だらけの登場人物たちの微妙なイデオロギー闘争。
深いやり取りは見応えありました。
普通の会話の中で深川麻衣演じる友人が主人公に
「あんたはこういう絶望的な状況でもちゃんとお腹が空くのが良いよね、冗談でも死にたいとか絶対に言わないし」
みたいなセリフが妙に印象的でした。
とてもどん底なのにポジティブな雰囲気を失わないのがとても魅力的でした。
微妙な関係の男女、ほぼ恋人みたいに過ごす時期の空気感はかなり胸キュンでした。
自分が憧れる東京の暮らしって感じが垂れ流しです。
この映画は意外と東京感の強さも見どころだと思いました。
長まわしでの会話劇のシーンも結構あって、アドリブ感が強くてリアルの会話のようでした。
時々虚構みたいなのがシームレスに挟まれ、小学生時代の自分と会話しだしたり、今の自分の分身と話し始めたり。
そういう遊び心がありました。
自分も自分の分身を作り出して会話したりする趣味が子供の頃からあるのでその行為を具現化してくれたようで嬉しかったです。
全体通してハッピーな映画なのか?不幸な映画なのか?悩ましかったですが。
めちゃくちゃ胸キュンしたりむちゃくちゃ切なかったりしました。
主演の岸井ゆきのは今年の俺アカデミー賞主演女優賞ノミネートですね。
元々好きでSNSも見てきたので今作も大分前からアンテナに引っかかっていましたが。
かなり絶妙なキャスティングで愛嬌のある可愛さという美形女優では出来ない素晴らしい演技でした。
演技もかなりナチュラル系でアドリブにも見えるような掛け合いも素晴らしかったです。
一見歯がゆいイライラさせる女性像ですが、おそらく女性が見た時に強い共感を得そうだなと思いました。
成田凌はハンサムで好きですが、こういうちょっと駄目な男をやらせてもいい味出しますね。
主人公に強く片想いされるのに全然それに相応しいキャラをしていない感じが妙にリアルでした。
東京らしい生活の感じもよく出ていて良かったです。
深川麻衣は最近の活躍が著しいですが、今作もまた新たな引き出しって感じで素晴らしかったです。
とてもかわいいルックスだし演技も良いし観るたびに好きになっていきます。
朝ドラでは岸井ゆきのと姉妹でしたがそれを感じさせない変貌ぶりでした。
若葉竜也は僕が好む作品によく出てくる印象です。
かなり個性的な役をやるので作品ごとにかなりイメージは変わりますが不思議な魅力があります。
今作ではナチュラル演技でもいい味出してました。
江口のりこは完全に安心して見れるバイプレイヤーですね。
色んな作品で色んな役をやりますがどの作品でも問題ない仕事をします。
本当に稀にある、ずっと見ていられる、って思える映画でした。
普通の空気感で物語を越えて、それ以外のシーン、その後の日常生活も見たいって思える映画でした。
ハイセンスな名画だと思います。
そんなわけで9点。
を観ました。
猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。
会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。
友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話一本で駆け付け(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。
大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。
だけど。マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない・・・。
今泉力哉監督、角田光代原作です。
はじめましてな監督さんですが、前々から気になっていた映画で先に見た信頼する人達の評価も高かったのでかなり気になっていました。
近年は生活スタイルの事情やらサービスやらの事情でシネコンでしか映画を見なくなっていましたが久々にミニシアター鑑賞しました。
期待通りの相当好みの作品でした。
わざわざ映画にするほどでもないような生々しい20代の男女の恋愛模様です。
それに伴う生々しい生活模様です。
なんかめちゃくちゃ共感するような要素の連続でした。
かなり恋人っぽいけど恋人では無く、すごく親密に過ごす時期もあれば何ヶ月も連絡が無くなる時期もあり。
成田凌演じる男の行動を批判的に見る人も居るでしょうが大抵の男はこんな感じですよね。
自分の好きな人を追いかけながら自分のことを好いてくれる人を利用する。
距離感を探りながら過ごすけど相手がグイグイ来たら急に冷めてしまうパターン。
仮に自分の恋愛を映画化したらこんな感じで人を不愉快にさせてしまうかもしれないと反省しました。
そして岸井ゆきの演じる主人公の感じがまた絶妙です。
岸井ゆきのというキャスティングも絶妙です。
この手の行動をする女の子って本当にこういうタイプのルックスだと説得力あって。
昔から映像作品に出てくるモテないキャラの女主人公がやたら美女なのに違和感でしたが。
岸井ゆきのはもちろんかわいいし昔から注目してきた好きな女優ですが。
ザ・美人ってタイプでは無いので色んな女性の共感を得そうな気がしました。
そして明確では無い関係性だらけの登場人物たちの微妙なイデオロギー闘争。
深いやり取りは見応えありました。
普通の会話の中で深川麻衣演じる友人が主人公に
「あんたはこういう絶望的な状況でもちゃんとお腹が空くのが良いよね、冗談でも死にたいとか絶対に言わないし」
みたいなセリフが妙に印象的でした。
とてもどん底なのにポジティブな雰囲気を失わないのがとても魅力的でした。
微妙な関係の男女、ほぼ恋人みたいに過ごす時期の空気感はかなり胸キュンでした。
自分が憧れる東京の暮らしって感じが垂れ流しです。
この映画は意外と東京感の強さも見どころだと思いました。
長まわしでの会話劇のシーンも結構あって、アドリブ感が強くてリアルの会話のようでした。
時々虚構みたいなのがシームレスに挟まれ、小学生時代の自分と会話しだしたり、今の自分の分身と話し始めたり。
そういう遊び心がありました。
自分も自分の分身を作り出して会話したりする趣味が子供の頃からあるのでその行為を具現化してくれたようで嬉しかったです。
全体通してハッピーな映画なのか?不幸な映画なのか?悩ましかったですが。
めちゃくちゃ胸キュンしたりむちゃくちゃ切なかったりしました。
主演の岸井ゆきのは今年の俺アカデミー賞主演女優賞ノミネートですね。
元々好きでSNSも見てきたので今作も大分前からアンテナに引っかかっていましたが。
かなり絶妙なキャスティングで愛嬌のある可愛さという美形女優では出来ない素晴らしい演技でした。
演技もかなりナチュラル系でアドリブにも見えるような掛け合いも素晴らしかったです。
一見歯がゆいイライラさせる女性像ですが、おそらく女性が見た時に強い共感を得そうだなと思いました。
成田凌はハンサムで好きですが、こういうちょっと駄目な男をやらせてもいい味出しますね。
主人公に強く片想いされるのに全然それに相応しいキャラをしていない感じが妙にリアルでした。
東京らしい生活の感じもよく出ていて良かったです。
深川麻衣は最近の活躍が著しいですが、今作もまた新たな引き出しって感じで素晴らしかったです。
とてもかわいいルックスだし演技も良いし観るたびに好きになっていきます。
朝ドラでは岸井ゆきのと姉妹でしたがそれを感じさせない変貌ぶりでした。
若葉竜也は僕が好む作品によく出てくる印象です。
かなり個性的な役をやるので作品ごとにかなりイメージは変わりますが不思議な魅力があります。
今作ではナチュラル演技でもいい味出してました。
江口のりこは完全に安心して見れるバイプレイヤーですね。
色んな作品で色んな役をやりますがどの作品でも問題ない仕事をします。
本当に稀にある、ずっと見ていられる、って思える映画でした。
普通の空気感で物語を越えて、それ以外のシーン、その後の日常生活も見たいって思える映画でした。
ハイセンスな名画だと思います。
そんなわけで9点。