メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

43、サン・ホセの火祭りへ

2013年03月19日 | 魂の旅立ち
乗り心地最悪の、地獄の、まさに地獄の夜行電車をまたもやこなしマドリッド戻る。
そして本来バルセロナの次に訪れる予定だったバレンシアへ。

(ゆるせない話)
朝のマドリッドのチケットカウンターでその次の次の街へ向かうためのチケットを先に買うことにする。
リスボンに行けなかった経験を成長に繋げる。
そこでチケットカウンターに行くと、そこのおっさんが全く英語が出来ない。
「トゥウェンティ」「ハウマッチ?」すら通じない。
デブでメガネで指が異様に短いハリウッド映画で何回も見かけたことがあるおっさんは面白い顔を作り、
「何言ってるかわからない」という。
まあ、指差し指差しで何とかチケットを手に入れる。
そして次は隣のカウンターで今日のチケットを買うことに。
Valenciaと言ってスムーズにチケットを手に入れるが、何故かチャマルティン駅からもうすぐ発車だと言われる。
僕の知識だとアトーチャ駅のはずだが・・・。
そんな時に限って親切な駅のスタッフ達は僕をホームへ誘導しようとする。
そこで電車の行き先がイルンになってて、コレは絶対におかしい!と気づく。
よく見るとValencia行きじゃなくてPalencia行きだった。
慌ててカウンターに戻り、英語できるやつ呼べ!言うて、このチケットは間違えてる!と伝える。
VがPになってて超可愛いんですけど!!とクレームを入れる。
そしてようやくValencia行きのチケットを買うが、50分後出発の電車を予約される。
コレ、俺がもうマドリッドに慣れてるから可能だけど、知らなかったらアトーチャ駅まで30分かけて移動してあのデカイ駅でホーム見つけて乗るなんて出来へんで!

そんなわけで昼前にバレンシアに到着。
バルセロナからバレンシアを飛ばして、幾つものショートトリップを繰り返した。
マドリッド ー アランフェス ー トレド ー コルドバ ー マラガ ー セビーリャ ー グラナダ ー セゴビア ー マドリッド ー リスボン ー ベレム ー シントラ とここまでバレンシアを後回しにしたのは何を隠そう、この時期にサン・ホセの火祭りをやっていると後から知り、19日がハイライトだというから19日のバレンシアまでの時間潰し的な旅だったのである。
日本でも祭りは嫌いだが、もうここまで来たら行ってやれ!というやけっぱち気分。

チェックインまで時間があったのでマクドでちょっと休み、ホテルまで遠いが祭り一色の街を堪能しながら歩いた。
とにかく街中上げてのお祭りであちこちで戦争のような爆竹音や何かもっと凄い爆弾音みたいのが鳴り響きまくる。
僕は一々ビビって仕方なかったが、バレンシアの人々は何も聞こえてないくらいのリアクション。
ちびっこたちも自分たちで鳴らしまくるので全然ビビらない。
そして街のあちこちのファヤと呼ばれる巨大な人形が飾られている、これらが夜中に燃やされるそうだ。

ホテルに着きちょっと時間があるのでネット作業。
夜行明けだしシャワーを浴びる。
そして街の観光名所を巡るが、とにかく祭りに埋め尽くされている。
もう今日はファヤを観るしか無い。

夜の火がつくまでもう一度宿に戻り休む。
先日会ったベテランバックパッカーさんが僕のことをブログのテーマにして深い内容のことを書いていてくれてちょっと感動する。
「変わりたいからといって旅に出ても人間はそう簡単に変われるものではない
しかし旅が人間を成長させることは間違いない」的な事を言っていただいた。

そして夜の街へ繰り出す。
何かいよいよな盛り上がりの空気感。
はっきり言って酔っ払った欧州人たちの群衆に入っていくのはかなり怖さもあったが、もうここまでで観てきたスペイン人のマナーの良さを信じて頑張って人混みに紛れ込み、いくつかのファヤが燃えるのを観た。
燃えた後、火種の周りで演奏したり、子供たちが踊ったりする。
祭りの工程などがわからないから人の流れでなんとなく予想しながら動いていた。

人々はどんどん酔っ払い盛り上がり、群衆のしんどさや地面の汚さは増していく。
一旦バーガーキングに避難して深夜の晩飯。
因みに注文を間違われて損をした。

そして市庁舎前はクライマックスの炎を待つ人々で物凄い人混み。
そして打ち上げ花火と共にメインのファヤが燃える。
待ってる間しんどくて、いつ始まるのかもさっぱりわからず、一人だし話し相手も居ないからただ人混みの中でじっと待ってて。
何度ももう諦めようかと思ったが、待ってよかったと思える感動的な盛り上がりだった。
ホント欧州人たちの中に一人で紛れ込み、欧州人達でさえ一人で居るやつなんて居ないのに、頑張って撮影をした。
みんな祭りに夢中だったので悪い人は居なかったように思えた。
火祭りで血祭りになる不安もあったが無事に過ごせた。

祭り嫌いの僕は遂にスペインの最大級の祭りにまで参加したのである。
久々の孤独な行程だったが、とても感動的な夜だった。

真夜中になっても楽しげにはしゃぐ人々
やまない爆竹音
あちこちであがる花火
祭りの終わりの余韻の中をホテルへと向かって歩いた。

すっかり魅了されたスペインの旅の締めくくりにはあまりにも華やかなフィナーレだった。
僕はこの祭りは僕の一人旅を祝福してくれていると勝手に解釈した。

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