ビリーブ 未来への大逆転
を観ました。
貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。
1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。
家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。
やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。
それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。
ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。
ミミ・レダー監督作品です。
ディープ・インパクトは自分の人生の最上級映画ですし巨匠の域の監督だと思います。
今作も女性監督らしいというか女性監督が描かなければ説得力を失うような作品でした。
法的に男女差別を撤廃しようと活動した女性の半生。
ノンフィクションですが、日本の朝ドラヒロインばりに頑張っていました。
学生結婚して優秀な夫が若くしてガンになり夫の看病しながら夫の分も授業に出て論文書いて子育てもして。
優秀なのに女性ということで就職がうまく行かず教授になりそのポジションでも精一杯結果を残すような人生で。
女性にチャンスを与えるような時代の風潮でありながら男女が平等では無いってところが非常に歯がゆいのでしょう。
裁判の準備でのやり取り、扱う題材が非常に絶妙でかなり見応えありました。
新しい価値観を抱く非力な弁護士夫婦が旧態依然の思想の権力者に挑むわかりやすい構造です。
エリン・ブロコビッチ式ですね。
もちろん主人公の側がヒーローで描かれ相手が悪どい感じで描かれていますが、そこまで極端に勧善懲悪の構図にしていませんでした。
それはこういう裁判モノではとても重要だと思います。
お互いの正義がぶつかり合う場だと思うので個人的にはそういうのを見たくて、明らかな悪ののさばりを歯がゆく見るものよりは良いです。
個人的には相手の方の言い分の方が大きな目では正義な感じがしました。
もちろん個人単位で見ると男女で制度が違うのはストレスでしょうが、それが健全な社会を作る基礎になっている気がします。
敵側は男女を完全に平等にしてしまったら家には誰も居なくなりアメリカの子どもたちは一人でご飯を食べるようになり愛を知らない人間が増える、
みたいなことを言っていたのがしみじみと考えさせられました。
目先の平等にはいかにも正義の雰囲気がありますが、目先の我慢が社会を健全にするのかもしれないって思いました。
先進国の選択はいろいろと悩ましいと思いましたし、歴史や文化を守ることの意義も考えさせられました。
それでもクライマックスの主人公が逆転する、裁判モノなのでもちろん逆転裁判ですが、その演説は感動しました。
魂揺さぶられるような素晴らしい弁論でした。
国を変えようとしているわけではない、国は勝手に変わるから私がする必要が無い、みたいな演説も良かったですね。
時代に合わせた法律や憲法改正は必要だという訴えです。
この辺は先進国では日本は極度に遅れているというか、変えない選択をしてきているので悩ましかったです。
ここは変える正義と変えない正義が両方理解出来てしまうのでこの手の争いは悩ましかったです。
時代の変化の象徴として勇敢な主人公以上に芯が強い娘の存在がとても良かったです。
母親とかなり激しく衝突を繰り返す娘ですが二人共深く愛し合っているさまは素晴らしかったです。
ストーリー展開でそこにフォーカスが当たるような部分は無かったですが、さり気なく描写されるシーンがいちいち素敵でジーンとしました。
他にも過剰に演出するようなこともなく、過剰に勧善懲悪にすることもなく実にいい塩梅の仕上がりでした。
主演のフェリシティ・ジョーンズは美人なのでかなり好きです。
近年はスターウォーズを初め、話題作での活躍がめざましいです。
今作は役柄的に美貌を抑え気味で女性蔑視を取り払おうとする頑張り屋な感じがよく出ていました。
賞レースにノミネートさせてもいいくらいの出来だったと思います。
夫役で弁護士のパートナーでもある男をアーミー・ハマーが演じていました。
ちょっと自分の中でゲイの役のイメージが強すぎて最後までずっと違和感でした。
エリートで賢そうな夫として妥当な説得力があり良かったです。
ふたりの仲間の弁護士をジャスティン・セローが演じていました。
意外と一番正しく理性的な判断をしていたようなキャラでした。
女性ということで主人公が目立っていましたが、同様の貢献があったように見えました。
ラスボス的な裁判の相手をサム・ウォーターストンが演じていました。
流石の存在感で適度な悪役感があって素晴らしかったです。
なかなかハイレベルな法廷モノで見応えありました。
そんなわけで8点。
を観ました。
貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。
1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。
家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。
やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。
それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。
ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。
ミミ・レダー監督作品です。
ディープ・インパクトは自分の人生の最上級映画ですし巨匠の域の監督だと思います。
今作も女性監督らしいというか女性監督が描かなければ説得力を失うような作品でした。
法的に男女差別を撤廃しようと活動した女性の半生。
ノンフィクションですが、日本の朝ドラヒロインばりに頑張っていました。
学生結婚して優秀な夫が若くしてガンになり夫の看病しながら夫の分も授業に出て論文書いて子育てもして。
優秀なのに女性ということで就職がうまく行かず教授になりそのポジションでも精一杯結果を残すような人生で。
女性にチャンスを与えるような時代の風潮でありながら男女が平等では無いってところが非常に歯がゆいのでしょう。
裁判の準備でのやり取り、扱う題材が非常に絶妙でかなり見応えありました。
新しい価値観を抱く非力な弁護士夫婦が旧態依然の思想の権力者に挑むわかりやすい構造です。
エリン・ブロコビッチ式ですね。
もちろん主人公の側がヒーローで描かれ相手が悪どい感じで描かれていますが、そこまで極端に勧善懲悪の構図にしていませんでした。
それはこういう裁判モノではとても重要だと思います。
お互いの正義がぶつかり合う場だと思うので個人的にはそういうのを見たくて、明らかな悪ののさばりを歯がゆく見るものよりは良いです。
個人的には相手の方の言い分の方が大きな目では正義な感じがしました。
もちろん個人単位で見ると男女で制度が違うのはストレスでしょうが、それが健全な社会を作る基礎になっている気がします。
敵側は男女を完全に平等にしてしまったら家には誰も居なくなりアメリカの子どもたちは一人でご飯を食べるようになり愛を知らない人間が増える、
みたいなことを言っていたのがしみじみと考えさせられました。
目先の平等にはいかにも正義の雰囲気がありますが、目先の我慢が社会を健全にするのかもしれないって思いました。
先進国の選択はいろいろと悩ましいと思いましたし、歴史や文化を守ることの意義も考えさせられました。
それでもクライマックスの主人公が逆転する、裁判モノなのでもちろん逆転裁判ですが、その演説は感動しました。
魂揺さぶられるような素晴らしい弁論でした。
国を変えようとしているわけではない、国は勝手に変わるから私がする必要が無い、みたいな演説も良かったですね。
時代に合わせた法律や憲法改正は必要だという訴えです。
この辺は先進国では日本は極度に遅れているというか、変えない選択をしてきているので悩ましかったです。
ここは変える正義と変えない正義が両方理解出来てしまうのでこの手の争いは悩ましかったです。
時代の変化の象徴として勇敢な主人公以上に芯が強い娘の存在がとても良かったです。
母親とかなり激しく衝突を繰り返す娘ですが二人共深く愛し合っているさまは素晴らしかったです。
ストーリー展開でそこにフォーカスが当たるような部分は無かったですが、さり気なく描写されるシーンがいちいち素敵でジーンとしました。
他にも過剰に演出するようなこともなく、過剰に勧善懲悪にすることもなく実にいい塩梅の仕上がりでした。
主演のフェリシティ・ジョーンズは美人なのでかなり好きです。
近年はスターウォーズを初め、話題作での活躍がめざましいです。
今作は役柄的に美貌を抑え気味で女性蔑視を取り払おうとする頑張り屋な感じがよく出ていました。
賞レースにノミネートさせてもいいくらいの出来だったと思います。
夫役で弁護士のパートナーでもある男をアーミー・ハマーが演じていました。
ちょっと自分の中でゲイの役のイメージが強すぎて最後までずっと違和感でした。
エリートで賢そうな夫として妥当な説得力があり良かったです。
ふたりの仲間の弁護士をジャスティン・セローが演じていました。
意外と一番正しく理性的な判断をしていたようなキャラでした。
女性ということで主人公が目立っていましたが、同様の貢献があったように見えました。
ラスボス的な裁判の相手をサム・ウォーターストンが演じていました。
流石の存在感で適度な悪役感があって素晴らしかったです。
なかなかハイレベルな法廷モノで見応えありました。
そんなわけで8点。