メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

サムライマラソン

2019年03月05日 | 映画
サムライマラソン
を観ました。


260年間、日本は国を守るために鎖国してきた。だが、それもいよいよ終わりを迎えようとしていた、1855年、幕末。幕府大老の五百鬼祐虎(豊川悦司)は、黒船でアメリカからやって来た海軍総督ペリー(ダニー・ヒューストン)と面談し、和親条約という名の開国を迫られる。
安中藩主の板倉勝明(長谷川博己)は、アメリカは口では和平を唱えているが、日本への侵略が目的だと疑っていた。「国と藩を守らなければならない」と腹を決めた勝明は、藩士たちの心と体を鍛錬するために「明日、十五里の遠足を行う」と宣言する。「優勝者はどんな願いも叶えられる」と聞いて、藩士たちは色めき立つのだった。
そんななか、城内で騒ぎが持ち上がる。勝明の娘の雪姫(小松菜奈)が、城を抜け出したのだ。芸術的才能に恵まれた雪姫は、江戸へ出て絵画を勉強し、いずれは異国へも渡りたいと願っているのだが、父からは激しく反対されていた。重臣の息子で、傲慢な辻村平九郎(森山未來)を婿にとって藩を治めるよう命じられ、強い決意のもと逃げ出したのだ。
城下の人々の間では、さっそく誰が1着になるかの賭けが始まった。藩で一番足が速いのは、足軽の上杉広之進(染谷将太)だと誰もが知っていた。上杉は両替商の留吉に茶屋でおごられ、1着にならなければ10両渡すと八百長を持ちかけられる。妻子の待つあばら家へ帰った上杉は、1着とお金とどちらをとるか頭を悩ませる。
ところが、その夜、江戸城では、安中藩の人々にとって、絶体絶命の指令が下されていた。以前から勝明を「何をするかわからん」者だと警戒していた五百鬼が、安中藩の遠足を“謀反の動き”と見て、アメリカの最新式の拳銃を携えた刺客を放ったのだ。
翌朝、五百鬼の企みに気付いた男がいた。彼の名は唐沢甚内(佐藤健)、安中藩に仕える勘定方は仮の姿で、実は代々幕府の隠密として、不穏な動きを察知したら直ちに報告する役目を負っていた。藩の上司の植木義邦(青木崇高)にはもちろん、妻にさえ打ち明けてはならない秘密だった。だが、何かを感じた妻の結衣(門脇麦)は、秘かに忍びの武器を着物に仕込んだ夫に、「どうかご無事に」と声をかけるのだった。
それぞれの想いを抱えた参加者たちが、出発地点に集まってくる。どうしても娶りたい雪姫は消えたが、虚栄心から不正をしてでも1着を取ろうと気合を入れる辻村。だが、その背後には、遠足に乗じて江戸まで行こうと計画し、男装に身を隠した雪姫がいた。守衛番を解雇された栗田又衛門(竹中直人)は、最後にひと花咲かそうと、亡き親友のまだ幼い息子と出場する。
太鼓の音が響き、開始の掛け声で、一斉に元気よく飛び出す藩士たち。だが、ほどなく刺客たちも到着し、まずは関所が襲撃される。幕府か藩か揺れるなか、愛する者たちとは、すべてここで出会ったことに気付いた甚内は、仲間たちに危機を告げ、一刻も早く城へ戻ろうと全力で走り始める。
果たして、甚内は大切なものを守れるのか? そして、ゴールのその先に待つ日本の未来とは?


バーナード・ローズ監督作品です。
海外の監督が日本の史実を描くのは珍しいです。
豪華キャストと大作感あふれる設定、大河ドラマのいだてんとも通ずるものがあり悪くない企画だとは思います。
しかしタイトルが悪いのか?客入りはイマイチな感じです。

なので期待値はちょっと低めでしたが、観てみたら全然しっかりとした映画でした。
マラソンが始まるまでのエピソードが長く、いろんなキャラの視点で描かれる群像劇の様相もあります。

黒船来航で意識が変わる日本の大名たち、安中藩主は遠足(マラソン)で戦のブランクが長い武士たちを鍛えようという狙い。
そしてその褒美のために様々な参加者がそれぞれの強い思いを持ってレースに向かいます。
どれもこれも主役級に勝つべく理由やら要素を持っている感じでかなり好みでした。
そして過酷なレースが始まりチェックポイントを経由して抑え折り返す。
そのさなかズルをするものや策略を練るもの、その騒動を利用して変装して逃げようとするも。
とかくスパイとして他国の兵士を呼び入れもはやレースどころではないシッチャカメッチャカな展開へ。
戦争しながらがら空きの城を救うために行きとは違う理由で戦いながら走る復路。
それでもレースの要素があるのはかなり独特で面白かったです。

僕に言わせれば、一言で説明するならば、かなりSBR(スティール・ボール・ラン)です。
SBRのサムライ版を観たようでとても面白かったです。
そしてかなりの脚色はあるかと思うが、これが史実というのが素晴らしい。
いい題材を取り上げたと思います。

そしてエンドロールでは日本のマラソン文化を支えた様々なランナーが紹介されます。
大河ドラマでお馴染みの金栗四三もしかり。

侍の走り方は変ですが、中には西洋文化に興味津々の参加者が西洋走りしたり。
競技としてのリアリティもなかなかでした。

天気が雨だったり晴れだったり雨だったり。
映画で描いている時間はそんなに長くないのに、ものすごく長い時間経過を感じさせる物語はなかなか見事でした。

主演はあえて言うならば佐藤健です。
隠密としてめちゃくちゃプロフェッショナルで素性も表さず感情も出さないが、心変わりをしてとてもいい活躍でした。
アクションがいつもながら様になります。

相変わらず見るたびに好きになる小松菜奈は今作でも更に好きになりました。
姫様から変装してランナーになりアクションもこなします。
こんなに映画に沢山出るのにドラマに出ないスタイルが良いです。

大好きな森山未來は今作も素晴らしかったです。
ちょっと情けない雰囲気もあり、ずるい悪役な要素もあり、でも最終的には強くて立派な侍でした。
転生の運動能力・身体能力の高さが伺える良い役どころでした。
肉体美も見事です。

染谷将太は貧乏な農民ながら藩で一番の韋駄天で黙々と走るキャラでした。
地位が低いのでいろいろな障害があれどそれにもへこたれずに走る良いキャラでした。

青木崇高が予想外のキャラでなかなかいい存在感出していました。

長谷川博己が殿様役で実にいい塩梅でした。
かなりの演技派で個性的にも問題無い役者ですが、殿様も様になっていました。

竹中直人がなかなか強めのインパクトを出して非常に目立っていました。
年齢を感じさせないアクションと肉体でした。

豊川悦司は友情出演って感じでした。

食欲をそそらない感じの企画ですが、期待よりは楽しい映画でした。


そんなわけで7点。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。