ヴィヨンノ妻 ~桜桃とタンポポ~ を観た。
太宰治の原作です。
典型的な太宰ワールドです。
駄目人間な作家の亭主とその貞操な妻のお話です。
作家大谷(浅野忠信)が真夜中に何かに追われるように家に帰る。
珍しく帰ってきた夫に優しく話しかける妻佐知(松たか子)。
すると夫を追ってやってきた夫婦。
が、大谷が金を5千円盗んだから返せと言う。
夫婦は大谷の行き着けの飲み屋椿屋の主人吉蔵(伊武雅刀)とその妻巳代(室井滋)。
今まで馴染みでずっと大目に見てきたが、ツケも払っていない。
大谷は逃げ出し、佐知が夫婦の話を聞き、翌日までに返すから警察に連絡しないでくれと願う。
翌日なんの金の当ても無いまま2歳の子供を連れて椿屋を訪ねる。
金を返す当てができたので、夜までにその人が金を持ってくるので、それまで私は人質としてここで働きますと、嘘をついて無理矢理働き出す。
夜になり大谷が女の人と現われ、女の人が5千円を払う。
そして大谷は女と姿を消す。
佐知は今までのツケ2万円を返すまでここで働くと、その日から椿屋で働き始める。
(ネタバレ)
器量のいい佐知はあっという間に常連客達に気に入られ、みんな佐知に注いで欲しくて沢山酒を飲み、佐知目当てに店にやってくるものも沢山居た。
佐知もチップで少しずつお金を溜める。
吉蔵と巳代は佐知にとても親切。
常連客の岡田(妻夫木聡)は佐知目当てに通っていた。
帰りの方向が同じだと、毎日佐知を電車で送って帰る。
岡田は元々大谷の大ファンだった。
「タンポポ一輪の誠実さを信じたい」と言う一文を読んで逃れられなくなったと言う。
帰りの電車で偶然昔の恋人辻(堤真一)と会う。
昔は貧乏だった辻は夢だった弁護士になり、今は社会的に地位を確立していた。
そして岡田に大谷との馴れ初めを話す。
貧しい辻の為に佐知は万引きをして捕まり、辻は逃げ出した。
そこを代わりに金を払い助けてくれたのが大谷だった。
家で酒ばかり飲んでいる大谷は佐知が急に外の世界を広げてしまったので浮気をしているとひどく疑っている。
女に5千円を払ってもらった現場を見ている佐知は
「ヒモですね」と言う。
「僕は死にたいのですが、何かがそれを引き止めるのです」
そして佐知が溜めた小遣いを奪って家を出て行く。
「僕はヒモですから」と。
翌日大谷は密かに佐知と岡田を尾行する。
すると岡田は国分寺の駅で降りた後、歩いて三鷹の寮まで帰っていた。
岡田が大谷の尾行に気付き、大谷に奥さんを好きになってしまった事を伝える。
大谷は酔っ払わないと他人と話が出来ないと、岡田を酒を飲みに連れて行き泥酔して家に帰り、岡田がお前を好いていると佐知に言う。
そして無理矢理岡田を泊める。
夜中偶然厠で佐知と会った岡田は佐知にキスをして一緒になってくれと迫る。
物音がして家に戻ると大谷の姿は無い。
私を見届ける為の行為だったと佐知は泣く。
悲しむ佐知を見て、僕が間違っていた、二度と姿を現さないと岡田は去る。
大谷は元々自分のファンで愛人の秋子(広末涼子)に会いに行く。
秋子は大谷に貢いで転落の人生を送っている。
「死にたいのだが何処かにいい人はいないかね」と言う大谷
それを受け入れる秋子と愛し合い、翌日森の中で二人は睡眠薬で心中する。
「グッドバイ」と呟く。
心中は失敗して二人共助かるが大谷は殺人容疑をかけられ留置所に入れられる。
慌てて面会に行く佐知
「嘘をつかれ、夫に心中された妻はどうすればいいんですか?」と泣く。
「変ですが今は生きていけそうな気がしているので責めないでください。」と言う大谷。
何とかしたい佐知は辻を頼る。
辻は未だに佐知を忘れられない。
お金が無いので多分辻に抱かれている。
進駐軍の車に乗る口紅を譲ってくれた女に「グッドバイ」と言う。
大谷は釈放され椿屋に居た。
そして吉蔵と巳代に「佐知と子供をお願いします」と出て行く。
後を追う佐知。
高架下で立ち止まりさくらんぽを食べる大谷
「おかみさんに、子供にと貰ったのです。でも僕はそれを自分で食べるのです。」
一緒に食べる佐知は
「私達は生きていれさえすればいいんです。」
と大谷と手を繋ぐ。
(評価)
とても心に染み入るいい映画でした。
太宰ワールドを上手に描いていたと思います。
浅野忠信は本人も離婚したてって事もあり、コイツ最低だな!って思わせてくれるいい演技でした。
酒の飲み方、酔っ払い方が上手で、泥酔して駄目になってる感じを観て僕もすぐ感化されて家で夜中泥酔してました。
すっかり濡れ場上等の広末さんは妖艶でよかったです。
妻夫木君が何だかかわいらしくてよかったです。
僕は松たか子が基本的にピンと来ないので、終始、他にもっとぴったりな女優さん居なかったかしら?と思ってしまいました。
でも及第点ではあると思います。
ちょっとだけセクシーシーンがあったし。
夫婦の会話が敬語なのが何か良いです。
セットの雰囲気も素晴らしかったと思います。
終わり方も大好きです。
そんなわけで8点。
因みに残虐でもないし、エロくもないし全然R-12指定である必要が無いと思います。
僕にとっては何度も繰り返し観れる映画ですね。
DVDとか買って病んだ時とかに定期的に観ていたいです。
太宰治の原作です。
典型的な太宰ワールドです。
駄目人間な作家の亭主とその貞操な妻のお話です。
作家大谷(浅野忠信)が真夜中に何かに追われるように家に帰る。
珍しく帰ってきた夫に優しく話しかける妻佐知(松たか子)。
すると夫を追ってやってきた夫婦。
が、大谷が金を5千円盗んだから返せと言う。
夫婦は大谷の行き着けの飲み屋椿屋の主人吉蔵(伊武雅刀)とその妻巳代(室井滋)。
今まで馴染みでずっと大目に見てきたが、ツケも払っていない。
大谷は逃げ出し、佐知が夫婦の話を聞き、翌日までに返すから警察に連絡しないでくれと願う。
翌日なんの金の当ても無いまま2歳の子供を連れて椿屋を訪ねる。
金を返す当てができたので、夜までにその人が金を持ってくるので、それまで私は人質としてここで働きますと、嘘をついて無理矢理働き出す。
夜になり大谷が女の人と現われ、女の人が5千円を払う。
そして大谷は女と姿を消す。
佐知は今までのツケ2万円を返すまでここで働くと、その日から椿屋で働き始める。
(ネタバレ)
器量のいい佐知はあっという間に常連客達に気に入られ、みんな佐知に注いで欲しくて沢山酒を飲み、佐知目当てに店にやってくるものも沢山居た。
佐知もチップで少しずつお金を溜める。
吉蔵と巳代は佐知にとても親切。
常連客の岡田(妻夫木聡)は佐知目当てに通っていた。
帰りの方向が同じだと、毎日佐知を電車で送って帰る。
岡田は元々大谷の大ファンだった。
「タンポポ一輪の誠実さを信じたい」と言う一文を読んで逃れられなくなったと言う。
帰りの電車で偶然昔の恋人辻(堤真一)と会う。
昔は貧乏だった辻は夢だった弁護士になり、今は社会的に地位を確立していた。
そして岡田に大谷との馴れ初めを話す。
貧しい辻の為に佐知は万引きをして捕まり、辻は逃げ出した。
そこを代わりに金を払い助けてくれたのが大谷だった。
家で酒ばかり飲んでいる大谷は佐知が急に外の世界を広げてしまったので浮気をしているとひどく疑っている。
女に5千円を払ってもらった現場を見ている佐知は
「ヒモですね」と言う。
「僕は死にたいのですが、何かがそれを引き止めるのです」
そして佐知が溜めた小遣いを奪って家を出て行く。
「僕はヒモですから」と。
翌日大谷は密かに佐知と岡田を尾行する。
すると岡田は国分寺の駅で降りた後、歩いて三鷹の寮まで帰っていた。
岡田が大谷の尾行に気付き、大谷に奥さんを好きになってしまった事を伝える。
大谷は酔っ払わないと他人と話が出来ないと、岡田を酒を飲みに連れて行き泥酔して家に帰り、岡田がお前を好いていると佐知に言う。
そして無理矢理岡田を泊める。
夜中偶然厠で佐知と会った岡田は佐知にキスをして一緒になってくれと迫る。
物音がして家に戻ると大谷の姿は無い。
私を見届ける為の行為だったと佐知は泣く。
悲しむ佐知を見て、僕が間違っていた、二度と姿を現さないと岡田は去る。
大谷は元々自分のファンで愛人の秋子(広末涼子)に会いに行く。
秋子は大谷に貢いで転落の人生を送っている。
「死にたいのだが何処かにいい人はいないかね」と言う大谷
それを受け入れる秋子と愛し合い、翌日森の中で二人は睡眠薬で心中する。
「グッドバイ」と呟く。
心中は失敗して二人共助かるが大谷は殺人容疑をかけられ留置所に入れられる。
慌てて面会に行く佐知
「嘘をつかれ、夫に心中された妻はどうすればいいんですか?」と泣く。
「変ですが今は生きていけそうな気がしているので責めないでください。」と言う大谷。
何とかしたい佐知は辻を頼る。
辻は未だに佐知を忘れられない。
お金が無いので多分辻に抱かれている。
進駐軍の車に乗る口紅を譲ってくれた女に「グッドバイ」と言う。
大谷は釈放され椿屋に居た。
そして吉蔵と巳代に「佐知と子供をお願いします」と出て行く。
後を追う佐知。
高架下で立ち止まりさくらんぽを食べる大谷
「おかみさんに、子供にと貰ったのです。でも僕はそれを自分で食べるのです。」
一緒に食べる佐知は
「私達は生きていれさえすればいいんです。」
と大谷と手を繋ぐ。
(評価)
とても心に染み入るいい映画でした。
太宰ワールドを上手に描いていたと思います。
浅野忠信は本人も離婚したてって事もあり、コイツ最低だな!って思わせてくれるいい演技でした。
酒の飲み方、酔っ払い方が上手で、泥酔して駄目になってる感じを観て僕もすぐ感化されて家で夜中泥酔してました。
すっかり濡れ場上等の広末さんは妖艶でよかったです。
妻夫木君が何だかかわいらしくてよかったです。
僕は松たか子が基本的にピンと来ないので、終始、他にもっとぴったりな女優さん居なかったかしら?と思ってしまいました。
でも及第点ではあると思います。
ちょっとだけセクシーシーンがあったし。
夫婦の会話が敬語なのが何か良いです。
セットの雰囲気も素晴らしかったと思います。
終わり方も大好きです。
そんなわけで8点。
因みに残虐でもないし、エロくもないし全然R-12指定である必要が無いと思います。
僕にとっては何度も繰り返し観れる映画ですね。
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