僕の夏休み その3

兄夫婦がアウトレットに行きたいと言っていた。
娘用にレゴを買いたいそうだ。

基本、俺は家族達の希望を受け入れ付いて行く身分。
アウトレットなど行きたくも無いが、他に行くとこも無かったので行った。

お盆も過ぎたのでそんなに混んでいなかった。
俺は家族と離れ颯爽と一人で広い敷地をふらふらしていた。
何枚かシャツを買ってアイスココアを飲んでたたずんでいた。

夜は少しライトアップされていた。
沢山の家族達が幸せそうに過ごしていた。

僕はポツポツと歩き寂しい気持ちだった。

親父と俺の乗った車がマンションに着くと何か見たことの無いシルエットの生き物が下向きにしていたヘッドライトの灯りの範囲のすぐ外に止まった。
ヘッドライトをあげてみるとそれはたぬきだった。
初めて野性のたぬきをみたので俺のテンションはあがり、去ってゆくたぬきをおいかけた。が、もう二度と現れなかった。

マンションに帰ればいつも通り。
近所にある高級絶品のソーセージ屋で買ったソーセージがメインディッシュ。

温泉入ってビール飲んでそれを食らう。
よくよく考えればとても贅沢な時間だ。